米Anthropic(アンソロピック)が4月8日に発表した新たなセキュリティ向けAIモデル「Mythos 」を巡り、CoinbaseやBinanceなど暗号資産(仮想通貨)業界の大手企業がアクセスを求める動きが広がっています。
Mythosは主要OSやブラウザ、暗号資産関連ライブラリを含むソフトウェアの高深刻度のゼロデイ脆弱性を自律的に見つけ出す能力を持つとされています。取引所やカストディ企業にとっては、ウォレットやAPI、社内開発ツールの弱点を攻撃者より先に洗い出せる可能性があり、AI時代の防御体制を左右する技術として浮上しています。
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脆弱性を先回りで見つけるAIが取引所の防御線を変える
Anthropicが始動した「Project Glasswing」は、重要ソフトウェアの脆弱性修正を進める取り組みです。中核にあるMythos Previewは、同社の説明ではコーディングやエージェント処理に加え、サイバーセキュリティ分野で既存モデルを上回る性能を示しています。
公開情報では、Mythos Previewは主要なOSやブラウザで数千件規模の高深刻度ゼロデイ脆弱性を、人手をほとんど介さず発見したとされています。Anthropicの技術ページでは、暗号技術ライブラリを含む広範なソフトウェアを対象に検出能力を示したとみられます。
この性質は、暗号資産業界と相性がよいです。取引所やカストディアンは、顧客資産を保管するウォレット基盤、外部接続に使うAPI、社内の開発運用ツールまで、常に攻撃対象になりやすいシステムを抱えています。脆弱性の発見が数日遅れるだけで被害が拡大しかねない業界だけに、攻撃を受けてから塞ぐのではなく、攻撃者より先に穴を見つける技術への需要が高まりやすい構図です。
Cyvers AlertのCEO、Dedi Lavid氏は、AIがインフラ全体にわたって脆弱性を大規模に特定できるようになれば、暗号資産市場は最初に影響を受ける市場の一つになるとの見方を示しているとみられます。資産移転が24時間止まらず、システム障害や侵害がそのまま市場の信認に跳ね返りやすい点が、他業界よりも影響を受けやすい理由とみられます。
CoinbaseやBinance、Mythos利用を協議
Project Glasswingの参加企業には、Amazon、Apple、Google、Microsoft、NVIDIA、JPMorgan Chase、Ciscoなど40を超える重要インフラ関連組織が並びます。一方、現時点で暗号資産企業の名前は確認されていません。
そのなかで、CoinbaseはAnthropicとMythosへのアクセスを巡って協議を進めているとされ、Binanceも同様に利用を目指している状況です。FireblocksもAnthropicの既存モデルを使ってきた経緯があるとみられ、Mythosではウォレット、API、開発ツールの脆弱性対策を強化したい考えとされています。
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