トランプ一族が関与するDeFiプロジェクト「World Liberty Financial(WLFI)」を巡り、TRON創業者のジャスティン・サン氏が4月12日、トークンのスマートコントラクトに任意のウォレットを凍結できる隠し機能があると公表しました。
サン氏は2024年末に約7500万ドルを投じた主要投資家で、2025年9月には保有していた5億4500万WLFIがブラックリスト化され、当時約7400万ドル相当が動かせなくなっていました。DeFiを掲げるプロジェクトで管理者権限による資産制御が表面化しました。
5億4500万WLFIが凍結され、投資家同士の対立に発展
WLFIは2024年末に立ち上がった分散型金融プロジェクトです。ドナルド・トランプ氏が「Chief Crypto Advocate」を名乗り、息子らもアドバイザーとして関与してきました。
その初期段階で主要な資金提供者となったのがサン氏です。投資額は約7500万ドルにのぼり、WLFIの有力支援者とみられていました。
関係が決定的に崩れたのは2025年9月です。サン氏が保有していた5億4500万WLFIのアドレスにブラックリスト指定が適用され、当時価値で約7400万ドル相当のトークンが凍結されました。損失規模は約7000万ドル前後とみられています。
今回サン氏が問題視したのは、こうした凍結が例外的な措置ではなく、コントラクトにあらかじめ組み込まれていた点です。複数の海外暗号資産メディアがコードを確認した内容では、管理者側が特定ウォレットを凍結し、利用を制限し、場合によっては資産を没収できる設計が含まれていました。
サン氏はこの機能を「backdoor」や「trap door」と表現し、DeFiを名乗りながら投資家を一方的に締め出せる構造だと批判しました。これに対しWLFI側は同日、サン氏の主張を「根拠がない」と否定し、契約と証拠があるとして訴訟を予告しています。
WLFI停止権限問題、DeFiの管理実態が浮上
今回の争点は、サン氏個人の損失額だけではありません。DeFiの世界では「code is law」という考え方が広く共有されてきました。あらかじめ公開されたコードがルールそのものであり、運営者の裁量で後から条件を変えにくいことが、中央集権型サービスとの違いとされてきました。
WLFIで問題になっているのは、その看板の裏側で管理者が強い停止権限を持っていたことです。利用者から見れば、ブロックチェーン上で保有していても、実際には発行体の判断で移動を止められる状態でした。銀行口座の凍結に似た効果が、分散型を掲げるトークンでも起こり得ることを示しました。
今回の対立は、スマートコントラクトが公開されていても、利用者が実際に負うリスクはコードの細部と管理権限の設計次第で大きく変わることを浮き彫りにしました。
参考元:crypto.news
画像:shutterstock
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