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米司法省、仮想通貨4社の幹部ら10人を起訴|仮装売買で出来高と価格を水増しか

2026年4月1日 18:22  6月24日 15:44  Arai Yu

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アメリカ合衆国政府の公式ウェブサイト

米司法省は3月30日、暗号資産(仮想通貨)関連4社の幹部・従業員ら外国籍の10人を、仮装売買による相場操縦に関与したとして起訴したと発表しました。対象はGotbit、Vortex、Contrarian、Antierで、米当局はシンガポール当局の協力を得て3人を引き渡し、100万ドル超の暗号資産も押収しており、暗号資産市場の「見せかけの流動性」に対する国際捜査が一段と踏み込んだ形です。

起訴はカリフォルニア北部地区連邦検察によるもので、罪状はワイヤ詐欺共謀罪です。司法省によると、被告らは違法なマーケットメーカーとして機能し、同じ取引で買い手と売り手の双方を実質的に担うウォッシュトレーディングを実施していました。これにより、実際には資金が流入していないにもかかわらず、取引が活発に行われているように見せかけ、トークンの出来高や価格を人為的に押し上げていたとされます。

こうした手法は、板が厚く売買が盛んな銘柄に見せることで投資家を呼び込みやすくするものです。司法省は、被告らがCoinMarketCapへの掲載を誘導した後、保有トークンを売却していたと説明しており、見かけの流動性が価格形成そのものをゆがめていた構図が浮かびます。米検察は、こうした仕組みによって米国内外の投資家に損失が生じたとしています。

仮想通貨の相場操縦で3被告初出廷

司法省が公表した被告には、Vortexの最高経営責任者でロシア国籍のGleb Gora被告(24)、Contrarianの最高経営責任者でインド国籍のManu Singh被告(34)、同じくContrarianのVasu Sharma被告(26)が含まれます。Gotbit関係では台湾国籍のAntoine Tsao被告、セルビア国籍のNemanja Popov被告の名前も挙がりました。AntierはContrarianのパートナー企業として起訴対象に含まれています。

このうちGora、Singh、Sharmaの3被告は2025年10月2日にシンガポールで逮捕され、2026年3月30日にオークランドの連邦裁判所へ初出廷しました。国境をまたぐ暗号資産犯罪では、起訴だけでなく身柄確保が難所になりやすいですが、今回は米連邦捜査局(FBI)と米内国歳入庁犯罪捜査部門(IRS-CI)が捜査を主導し、シンガポール当局との連携で引き渡しまで進んだ点が特徴です。

仮装売買が仮想通貨の流動性を偽装する仕組み

ウォッシュトレーディングの問題は、価格を動かすだけではありません。本来、出来高はその銘柄にどれだけ参加者がいるかを示す手がかりですが、仮装売買が混じると、その数字自体が信用しにくくなります。売りたい時に売れ、買いたい時に買えるという流動性の前提が崩れれば、個人投資家は「取引されている安心感」を誤認したまま参加することになります。

暗号資産市場では、上場情報サイトの掲載や取引量ランキングが投資判断に影響しやすいだけに、今回の起訴はマーケットメーカー業務の透明性を改めて問う内容です。対象となった具体的なトークン名や投資家被害の総額は公表されていませんが、1件あたりの法定刑は最大20年の禁錮刑と25万ドルの罰金です。米当局は、見せかけの売買で市場の信頼を損なう行為に対し、刑事事件として対処する姿勢を鮮明にしました。

参考元:アメリカ政府公式発表
画像:shutterstock