CoinPartner

【完全無料】業界最大級の仮想通貨オンラインサロン

詳細はこちら

CFTC、予測市場は無法地帯ではないと警告|インサイダー取引規制を明確化

2026年4月1日 16:05  Arai Yu

※この記事には広告・PRが含まれます

米商品先物取引委員会(CFTC)の執行部門トップであるデビッド・ミラー氏は3月31日、予測市場ではインサイダー取引規制が及ばないとの見方を否定し、流用された非公開情報に基づく取引は起訴対象になると警告しました。急拡大する予測市場が「賭け」に近い場として語られがちな中、CFTCは金融取引としての規制線を改めて明確にしました。

ミラー氏はニューヨーク大学(NYU)のパネル討論で、「主流メディアやソーシャルメディアには、予測市場にはインサイダー取引が適用されないという神話があるが、それは間違っている」と述べました。あわせて「インサイダー取引に関する憶測は把握している。監視している」とし、「流用された情報を漏らした者や、その情報で取引した者を起訴する」と説明しました。

同氏は2026年3月2日にCFTC執行局長に就任したばかりです。今回の発言は、予測市場を巡る執行方針を就任後まもなく公の場で示したものと受け止められています。

予測市場は、選挙結果や政策決定、企業イベントなど、将来起きる出来事の確率を売買する仕組みです。利用者には「世論の集約装置」として映る一方、当事者や関係者が一般に出回っていない情報を持ち込めば、市場価格そのものがゆがむ余地があります。月間取引額が200億ドルを超える規模に膨らむ中、情報の非対称性をどう抑えるかが規制上の焦点となっていました。

予測市場はギャンブルではない、CFTCがデリバティブ取引と整理

ミラー氏は、問題となるイベントコントラクトについて「ギャンブルではない。該当するイベントコントラクトはスワップであり、インサイダー取引法が適用される」という立場を示しました。ここでのポイントは、予測市場の商品を娯楽的な賭けではなく、商品取引法の枠内にあるデリバティブ取引として位置付けている点です。

この整理によって、価格形成の公正さを損なう行為には、通常のデリバティブ市場と同様の不正取引規制が及びます。CFTCは、商品取引法6条(c)(1)と規則180.1を根拠に、機密情報の流用に基づく取引を詐欺的行為として取り締まる姿勢を示しています。予測市場が新しい取引形態であっても、「情報を不正に持ち込んで利益を得る行為は許されない」という線引きは変わりません。

予測市場の不正取引、Kalshiで2事例

CFTCは2月25日、予測市場に関する執行アドバイザリーを公表し、米予測市場KalshiEX上で確認された2件の事例を示しました。

1件目は2025年5月の事例です。政治候補者本人が、自身の立候補に関する市場で取引を行ったとして、Kalshiから2246ドルの罰金と5年間の利用禁止処分を受けました。結果を左右し得る立場の当事者が、その事実を踏まえて売買する行為を問題視したものです。

2件目は2025年8月から9月にかけての事例で、YouTubeチャンネルの関係者が非公開情報を使って関連市場で取引したとして、2万397ドルの罰金と2年間の利用禁止処分を受けました。いずれも、機密情報の流用に基づく取引として、商品取引法6条(c)(1)および規則180.1(a)(1)、180.1(a)(3)に抵触すると整理されています。

これらの事例が示すのは、予測市場の不正が必ずしも大掛かりな相場操縦の形を取るわけではないという点です。選挙候補者本人やコンテンツ公開の関係者など、結果に近い位置にいる人物が先回りして売買するだけでも、市場の信頼性は損なわれます。

予測市場が暗号資産(仮想通貨)業界やWeb3周辺でも注目される中、少なくとも米規制当局の立場は明確です。市場の新しさは、不正取引ルールの空白を意味しないということです。

参考元:bloomberg
画像:shutterstock