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S&P、米国債指数をトークン化|カントンネットワーク上でオンチェーン提供

2026年4月1日 15:29  Arai Yu

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S&P Dow Jones IndicesとKaikoは3月31日、米国債ベンチマークである『iBoxx U.S. Treasuries Index』をCanton Network上でトークン化したと発表しました。主要指数プロバイダーが金融ベンチマークをネイティブなデジタル資産としてオンチェーンで提供する初の事例で、機関投資家が指数データとライセンス権利を単一トークン経由で扱える仕組みが導入されました。

今回オンチェーン化されたのは投資商品そのものではありません。指数は非代替性トークン(NFT)として発行され、ライセンス権利に加え、終値指数水準やイントラデイ価格、コーポレートアクションといったプログラム可能なデータフィードを内包する設計です。これまで契約、配信、利用報告が分かれていたベンチマーク利用を、トークンという一つの器にまとめた形です。

米国債指数のNFT化、ライセンスとデータ利用を単一トークンに統合

発表によると、許可を受けたS&P DJIのライセンス商品発行体は、この単一トークンを通じて必要な指数データに即時アクセスできます。終値だけでなく、日中の価格情報やコーポレートアクションまで含まれるため、オンチェーン上で組成・管理される金融商品にベンチマークを直接組み込みやすくなります。

S&P Dow Jones IndicesとKaikoは、Notional reportingの照合プロセスが不要になると説明しています。従来は、指数を参照する商品がどれだけ使われたかを後から報告し、契約条件と突き合わせる作業が発生しやすかったのに対し、トークンに利用メタデータを持たせることで、使用状況の把握とコンプライアンス管理を自動化しやすくなります。

S&P Dow Jones Indicesはトークンの排他的なミント権限を持ち、有効期限の設定や利用条件の制御も担います。データ配信と権利管理を別々のシステムで処理するのではなく、発行元がトークン単位で管理できるため、機関投資家向けの厳格な利用制限を保ったままオンチェーン流通に対応しやすい構造です。

Kaikoのアンブル・スビラン最高経営責任者(CEO)は今回の取り組みについて、「金融ベンチマークを、プログラム可能で許可型のデータ資産としてトークン化し、その中にコンプライアンス対応やライセンス管理まで組み込むものだ」と説明しました。これは、金融ベンチマークを単なる参照値ではなく、権利処理や規制対応を内包したデータ資産として扱う考え方を示したものです。

オンチェーン活用拡大で、ベンチマーク提供もブロックチェーン対応へ

背景には、米国債がオンチェーン金融システムで基盤的な担保として存在感を強めている流れがあります。国債そのものや国債関連商品がブロックチェーン上で扱われる場面が増えるなかで、それらを評価・設計するための基準値も同じ環境で利用できることの意味は小さくありません。資産だけがオンチェーンにあっても、参照する指数やライセンス処理がオフチェーンに残れば、運用や管理のどこかで手作業や別契約が挟まります。今回の発表は、その分断を埋める動きとして位置付けられます。

S&P Dow Jones Indicesのキャメロン・ドリンクウォーター最高製品・オペレーション責任者は、「米国債はオンチェーン金融システムにおける基礎的な担保になりつつある」と述べました。こうした認識は、伝統的な金融資産がブロックチェーン上の金融インフラに組み込まれ始めている現状を示すものです。指数のトークン化は、そうした市場構造の変化に対応し、ベンチマーク提供のあり方自体を見直す試みと位置づけられます。

参考元:cointelegraph
画像:shutterstock