Rippleと国際決済大手Converaは3月31日、企業向けのクロスボーダー決済およびトレジャリー分野で提携したと発表しました。
法定通貨で支払いを始めて法定通貨で受け取る一方、中間の決済処理に規制されたステーブルコインを使う仕組みを採り入れ、国際送金で課題となってきた速度、流動性、信頼性の改善を目指します。
発表は米BusinessWireを通じて同日午前10時に公表されました。両社の提携は、企業が暗号資産(仮想通貨)を直接保有したり運用したりせずに、ブロックチェーンベースの決済インフラの利点を取り込める点に特徴があります。送金の表側は従来通り法定通貨のままにしつつ、裏側の資金移動だけを刷新する構図です。
企業は法定通貨のまま、中間決済にステーブルコインを使う
今回の提携で中核となるのが、「stablecoin sandwich」と呼ばれる決済モデルです。企業は送金時に自国通貨を支払い、受取側も現地の法定通貨で資金を受け取ります。その間の決済プロセスでのみ、規制されたステーブルコインを使って資金を移動させます。
この方式では、企業の財務部門やCFOが暗号資産の保管、価格変動への対応、ウォレット管理といった実務を直接抱え込まずに済みます。利用企業から見れば、送金の入口と出口は従来の銀行送金に近い体験を保ちながら、中継部分だけをより機動的な仕組みに置き換える形です。国際送金で起きやすい着金までの遅れや、途中経路の見えにくさ、資金繰り上の読みづらさを和らげる狙いがあります。
Converaのパトリック・ゴーティエ最高経営責任者(CEO)は発表文で、暗号資産やステーブルコインの利用拡大を受けて顧客の声に耳を傾け、信頼できるパートナーを選んだと説明しました。そのうえで、Rippleは暗号資産分野のリーダーであり、自然な提携相手だと述べました。
Rippleのプロダクト担当シニア・バイスプレジデント、アーロン・スレッテハウ氏は、企業はデジタル資産の複雑さを直接抱えずに、より迅速で柔軟な送金手段を求めていると指摘しました。Converaとの提携によって、企業は価値移動のタイミングと方法をより細かく管理できるようになると述べました。
Converaは顧客接点と為替対応、Rippleは流動性供給と決済基盤を担う
Converaは顧客向けのエンドツーエンドの支払い体験を担い、グローバルな決済ネットワークと外国為替の専門性を提供します。同社は200以上の国・地域、140以上の通貨をカバーしており、多通貨・多地域にまたがる企業送金の窓口を担います。
一方のRippleは、ブロックチェーンを活用した流動性供給、オンランプ・オフランプ、クロスボーダー決済基盤を提供します。
送金の前後では法定通貨を扱いながら、中間処理ではデジタル資産ベースのインフラを使うことで、資金移動の滞りや待機時間を減らす設計です。企業から見れば、Converaが表の業務フローを整え、Rippleが裏側の資金移動を支える構図です。
従来型の送金では、複数の中継銀行を経由ためどこで処理が滞っているのか見えにくい場面がありました。中間決済にステーブルコインを使う方式は、その経路を短くし、必要な流動性を機動的に確保しやすくする手段として位置付けられます。
参考元:convera公式
画像:shutterstock
