
TRM Labsが公開したブログ形式の調査記事
予測市場プラットフォームの取引が2026年3月に急拡大しました。
Dune Analyticsの集計では、月間の名目取引高は約237億ドルに達し、前年同時期の19億ドルから大幅に増加しました。取引件数も1億9100万件を超え、前年比で2838%増となっています。
この伸びは、暗号資産(仮想通貨)に詳しい利用者だけの動きでは説明しにくい規模です。
TRM Labsは2026年の月間取引高を210億ドル規模と整理したうえで、取引量の大多数を地政学、米国政治、マクロ経済の判断に関する市場が占めていると分析しました。
地政学リスクを巡る賭けの増加に加え、Google Financeや主要メディアでオッズが広く参照されるようになったことが、市場の裾野を押し広げた構図です。
予測市場が、価格変動を狙う場から、ニュースの行方を即時に織り込む情報市場として存在感を強めていることがうかがえます。
ポリマーケット、中東情勢関連契約が高出来高
足元の取引をけん引したのは、中東情勢を巡る市場です。
2026年2月には「米国はイランを攻撃するか」を巡る関連契約群が、23の期日別サブマーケットを合わせて2億5274万ドルの出来高を記録しました。単一テーマが短期間で巨額の売買を集めた形で、地政学イベントが予測市場の中心に移っていることを示しています。
Polymarketで高い出来高を集めた契約としては、2028年米大統領候補指名に関する市場のほか、「ベンヤミン・ネタニヤフ首相は年内に続投するか」といった政治・地政学関連の契約が確認されています。イスラエルとレバノンの地上侵攻を巡る市場や、イラン関連の契約も活況を呈しました。
TRM Labsは、こうした分野が取引量の大半を占めると明記しており、関心の中心がスポーツや娯楽ではなく、国際政治の不確実性に移っている実態が浮かび上がっています。
予測市場では、出来事そのものではなく、その発生確率が売買されます。
戦争や政権の継続といったテーマは、公式発表や報道のたびに確率が揺れやすく、短時間で価格が動きます。そのため、地政学ニュースが相次ぐ局面では、株式や為替のように連続的に情報を織り込む市場として機能しやすい面があります。
3月の取引件数が1億9100万件を超えたのは、こうした細かな確率修正が大量の注文を呼び込んだためとみられます。
予測市場、報道と並ぶ新たな情報源に
取引急増の背景には、ニュースの受け手側の変化もあります。TRM Labsは、Google Financeへのオッズ掲載や、主要メディアが予測市場の価格をリアルタイムで引用する動きが、アクセシビリティを高めたと指摘しました。
これは、予測市場が閉じた暗号資産サービスから、一般的なニュース消費の延長線上にある情報源へと位置付けを変えつつあることを意味します。価格チャートを見る感覚でオッズを確認できるようになれば、利用者は「賭けの場」としてだけでなく、「市場参加者がいま何を織り込んでいるか」を測る指標として接しやすくなります。
市場拡大の原動力として、地政学イベントと報道インフラへの組み込みが並行して進んだ点は、両データに共通しています。
参考元:cointelegraph
画像:shutterstock
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