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ビットコイン、6万5000ドル台に反落|トランプ新関税とFOMC前に利上げ観測が急浮上

2026年7月24日 09:01  Arai Yu

※この記事には広告・PRが含まれます

ビットコイン(BTC)は24日午前7時30分時点で6万5178ドルと、24時間で1.28%下落しました。

23日の米国市場でトランプ政権が約60カ国・地域への追加関税を発表し、同時に米雇用指標が市場予想を大きく上回ったことで、金融引き締めへの警戒が一気に強まりました。米10年債利回りは4.70%へ上昇し、ナスダック総合指数は2.15%安と大きく売られています。

BTCも21日に付けた週高値6万6956ドルから3日連続で終値を切り下げ、上値の重い展開が続いています。

値動きの振り返り

BTC/USDT 30分足チャート

直近24時間の高値は23日午前9時27分の6万6313ドル、安値は24日午前2時58分の6万4650ドルで、値幅は1663ドルとなりました。

売りが集中したのは23日の21時から24時にかけての3時間です。この時間帯の出来高はそれぞれ1080枚、1020枚、1123枚と直前の3倍から5倍に膨らみ、価格は6万5555ドルから6万4880ドルまで押し下げられました。21時30分に米雇用指標が発表された直後にあたります。

その後は24日未明に6万4650ドルまで下押ししたものの、明け方にかけて6万5100ドル台を回復しました。上値は6万6300ドル近辺、下値は6万4650ドル近辺がそれぞれ意識されています。

相場を動かした背景

トランプ新関税と雇用指標の上振れで急転した利上げ観測

23日に発表された新たな関税が、今回の下落の起点となりました。米通商代表部のジェイミソン・グリア代表が通商法301条に基づく追加関税を発表し、対象は米国の輸入の大半を占める約60カ国・地域に及びます。税率は10%または12.5%で、日本、中国、ベトナム、韓国が12.5%、EU、カナダ、メキシコ、英国が10%とされました。

今回の関税は、2026年2月に米連邦最高裁が国際緊急経済権限法に基づく相互関税を無効と判断したことを受け、法的根拠を通商法301条に置き換えたものです。カナダではマーク・カーニー氏が対抗措置の準備に言及し、オンタリオ州のダグ・フォード首相が石油やカリウムの輸出停止を示唆するなど、報復措置をめぐる議論も出ていると報じられています。

さらに同じ23日の21時30分に発表された新規失業保険申請件数が18万7000件と、市場予想の21万件から21万2000件を大きく下回りました。2022年3月以来の低水準で、労働市場の強さを示すタカ派的な内容と受け止められています。BTCが急落した21時台と、この発表時刻は一致します。

これに中東情勢の悪化が重なりました。イラン南部での攻撃が報じられ、原油は100.43ドルと100ドル台を回復し、WTI原油も92.09ドルまで6.06%上昇しています。関税によるコスト増、堅調な雇用、原油高という3つの材料がいずれもインフレを押し上げる方向に働いた形です。

その結果、金利観測が大きく転換しました。現在のFF金利の誘導目標は3.50%から3.75%ですが、7月28日から29日のFOMCについて、市場は据え置きを62%から63%、利上げを36%から38%織り込み、利下げの織り込みはほぼ消滅したと複数の投稿で伝えられています。1週間前まで7月の利上げ確率は12%を下回っていたとされ、わずか数日で急変した計算です。9月までに少なくとも1回の利上げを見込む確率は77%程度に達したとも報じられています。

ビットコイン(BTC)テクニカル分析

日足チャート

日足では、現在値がMA20の6万4202ドルを1.52%、MA50の6万3159ドルを3.20%それぞれ上回っており、中期の支持は維持されています。一方でMA100は7万38ドル、MA200は7万2599ドルと上方にあり、戻り売りの水準として意識されやすい状況です。

MACDのヒストグラムはプラス圏を保っていますが、前日の391.2から304.8へ縮小しており、上昇の勢いは鈍っています。上値の目安はボリンジャーバンド上限の6万6380ドル、下値の目安はMA20の6万4202ドルです。

より長い時間軸では、6月22日の安値以降4週連続で週足の終値を切り上げており、週足のMACDヒストグラムも5週ぶりにプラスへ転じました。200週移動平均線は6万3329ドルまで切り上がり、現在値はこれを2.92%上回って推移しています。短期の調整と中長期の改善が併存する構図です。

4時間足チャート

4時間足では、現在値がMA20の6万5798ドルを0.94%下回り、短期の勢いが失われています。ただしMA50の6万4917ドル、MA100の6万4231ドル、MA200の6万2927ドルはいずれも下方にあり、中期の上昇基調そのものは崩れていません。

MACDのヒストグラムはマイナス188.1と売り優勢を示しますが、前の足のマイナス198.8からわずかに改善しました。ボリンジャーバンドの下限は6万4741ドルで、この水準を維持できるかが押し目の範囲にとどまるかどうかの分かれ目となります。

1時間足チャート

1時間足は最も弱い形です。現在値はMA20の6万5267ドル、MA50の6万5752ドル、MA100の6万5542ドルをいずれも下回り、一目均衡表でも6万5999ドルから6万6058ドルの雲の下に位置しています。

もっともMA200の6万4885ドルは維持しており、MACDのヒストグラムはマイナス圏ながら底打ちの兆しをみせています。短期トレーダーが本日見るべきラインは、上が基準線の6万5482ドルと雲の下限にあたる6万5999ドル、下が転換線の6万4939ドルとMA200の6万4885ドルです。

デリバティブ動向

OI・清算動向

先物の未決済建玉は全取引所合計で1145.2億ドルと、24時間で1.64%減少しました。バイナンスのビットコイン無期限先物では、22日の10万6754枚から23日21時に10万2130枚まで減った後、安値圏で10万4686枚まで積み直されています。

過去24時間の清算総額は2億3966万ドルで前日比26.90%増となり、内訳はロングが1億7391万ドル、ショートが6575万ドルとロングに偏りました。清算されたトレーダーは7万6886人にのぼります。うち直近12時間だけで1億8951万ドルが執行されており、米国時間の下落に集中した形です。

BTC単体ではロング清算が4232万ドル、ショート清算が764万ドルでした。資金調達率は23日午前に一時マイナス0.0003%まで沈んだ後、バイナンスで0.0094%まで回復しています。バイナンスの全アカウントのロング比率は60.6%と20日時点から上昇しており、個人はロングに傾いている点には注意が必要です。

注目清算ライン

清算が積み上がっている価格帯は、上方向が6万6750ドルおよび6万7200ドルから6万7300ドル、下方向が6万4730ドルと6万4700ドルから6万5100ドルの帯です。さらに下では6万1000ドル近辺にも観測されています。

現在値は下方向のクラスターのすぐ上にあり、6万4650ドルの安値を明確に割り込むとロングの整理が進みやすい位置関係です。反対に6万6000ドル台を回復すれば、上方向のショート勢の踏み上げが値動きを増幅させる可能性があります。

なお本日17時のオプション満期における最大痛点は6万4000ドルから6万4500ドルとされ、現在値より下に位置しています。満期にかけてこの水準へ引き寄せられやすい点は意識しておきたいところです。

ETF動向

米国の現物BTC ETFは、20日に2億2680万ドル、21日に2億320万ドル、22日に6910万ドルの純流入を記録しました。14日から22日までの7営業日で合計9億9930万ドルを買い越した計算になります。

ただし流入額は2億2680万ドルから6910万ドルへと3日で急速に細っており、価格が上値を切り下げた時期と重なります。全期間の平均日次流入額は8150万ドル程度で、22日はこれを下回りました。なお23日分は集計途中で確定していません。

企業の動きでは、MicroStrategyが84万3775 BTCを保有する一方、2週連続でBTCの購入を見送り、最大32億ドル規模のドル準備を積み増していると報じられています。最大の買い手が一時的に手を止めている点も、需給面での重しとなり得ます。

本日のデイトレ材料

本日は時間帯ごとに材料が集中します。まず13時1分に新関税が発動します。発表済みの内容とはいえ、報復措置をめぐる各国の反応が出れば、リスク資産全体が改めて反応する可能性があります。

続く17時にはDeribitのオプション満期を迎えます。BTCの建玉は1万8647枚、想定元本にして約12.2億ドルと中規模ですが、最大痛点が6万4000ドルから6万4500ドルと現在値の下にあるため、満期前後で値が振れやすくなります。

23時には米新築住宅販売件数が発表されます。前回5月分は58万戸、前月比7.3%減でした。今週は米連邦公開市場委員会を来週28日から29日に控えたブラックアウト期間にあたり、FRB高官の発言は予定されていません。指標と関税が値動きの主役となります。

上抜けのシナリオでは、基準線の6万5482ドルを回復したうえで、6万5999ドルから6万6058ドルの雲を終値で上抜けられるかが第一関門です。これを突破できれば、24時間高値の6万6313ドル、日足ボリンジャーバンド上限の6万6380ドル、さらに6万6750ドル前後のショート清算クラスターが視野に入ります。原油価格の落ち着きと米国株の反発が条件となります。

下抜けのシナリオでは、6万4650ドルの安値を終値で割り込むと、6万4700ドルから6万5100ドルに滞留したロングの整理が進みやすくなります。その場合は日足MA20の6万4202ドル、次いでMA50の6万3159ドルが下値の目安です。さらに下押しすれば、200週移動平均線の6万3329ドル近辺での攻防となります。関税の報復合戦への発展や、原油の一段高と金利上昇の継続が引き金となり得ます。

まとめ

23日のBTC下落は、暗号資産固有の材料ではなく、関税、雇用指標、原油高という3つのインフレ材料が重なり、市場の金利観測が利下げから利上げへ急転したことによるものでした。金利上昇局面では、金利を生まないBTCに逆風が吹きやすくなります。

一方で、日足のMA50や200週移動平均線といった中長期の支持は維持されており、週足では4週連続の陽線基調が続いています。短期の弱さと中長期の底堅さが同居している点が、現在の相場の特徴です。

短期的な分岐点は、6万5999ドルの雲を回復できるか、それとも6万4650ドルを割り込んでロングの整理を促すかにあります。本日は13時1分の関税発動と17時の大型満期という時間指定の材料が並ぶため、レバレッジを効かせた取引では時間帯ごとの値動きの荒さに注意したいところです。

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