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ビットコイン・イーサリアム・リップル下落|トランプ氏のイラン合意発言で急伸も仮想通貨は反落

2026年6月9日 12:00  Arai Yu

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暗号資産(仮想通貨)市場は6月8日から9日にかけて、いったん大きく値を戻したのち再び上値を切り下げる展開となりました。週明けにかけてはトランプ米大統領による中東情勢の緩和を示唆する発言が伝わり、地政学リスクへの警戒が和らいだことから、リスク資産全般に買い戻しが入りました。

もっとも、こうしたヘッドライン主導の上昇は長続きせず、ビットコインは一時6万4000ドルを回復したものの、この水準が上値抵抗として意識されると失速しました。9日の早朝にかけて主要3銘柄はそろって高値から反落し、合意の確証がない中で戻り売りに押される格好となっています。

BTC、6万3000ドル台で反発一服|CPI前に膠着、ショート過熱で6万4000ドルの攻防が焦点

ビットコイン、6万2000ドル台へ反落

ビットコインは期間の初め、6月8日の朝方に6万1277ドル近辺まで下押しする場面がありましたが、その後は中東情勢の緩和期待を背景に終日強含みで推移しました。リスクオンの流れが強まる中で買いが加速し、9日の未明には一時6万4156ドルまで上昇し、節目の6万4000ドルを回復しています。

ただ、6万4000ドル台では戻り売りが厚く、上昇の勢いは続きませんでした。高値をつけたあとは利益確定の動きに押され、一時6万2473ドル付近まで値を下げる展開となっています。執筆時点では6万2732ドル前後で推移しており、6万4000ドルが当面の上値抵抗、6万1000ドル台前半が下値の目安として意識されています。

イーサリアム、1660ドル台へ押し戻される

イーサリアムもビットコインと歩調を合わせる動きとなりました。8日朝に1612ドル近辺まで下落したのち、リスク選好の回復とともに切り返し、9日朝には1712ドルまで水準を切り上げています。

しかし高値圏では買いが続かず、その後は反落して1660ドル台まで押し戻されました。現在は1667ドル前後での推移となっており、24時間では1%程度の下落です。1700ドル台の定着には至らず、上値の重さが意識される展開が続いています。

リップル、1.18ドル台から1.15ドルへ伸び悩み

リップルも同様のリバーサルを描きました。8日朝に1.124ドル近辺まで売られた局面から切り返し、9日朝には1.183ドルまで上昇して期間中の高値をつけています。地政学リスクの後退を受けた買い戻しの流れに沿った動きでした。

その後は他の主要銘柄と同じく上値を抑えられ、高値から下落して現在は1.15ドル前後で推移しています。1.18ドル台を維持できなかったことで、1.1ドルの大台が改めて下値の節目として意識されやすい状況です。

トランプ氏のイラン合意発言が地政学プレミアムを後退させる

今回の上昇の起点となったのは、トランプ大統領による中東情勢をめぐる発言でした。トランプ氏がイスラエルのネタニヤフ首相について「米国が仲介する合意を受け入れる以外に選択肢はない」と述べたことで、米国とイランの緊張緩和に向けた期待が市場で広がりました。中東での衝突リスクが和らぐとの観測は、原油に織り込まれていた戦争プレミアムを縮小させ、インフレ警戒の後退と米金利の低下を通じてリスク資産への資金回帰を促しました。

最も流動性の高い高ベータ資産であるビットコインは、こうしたリスクオンの動きを真っ先に取り込み、約5%の急伸につながりました。ただし市場では、確たる合意に至るまでは楽観が先行しすぎているとの見方も根強く、6万4000ドルを維持できなかったことが戻り売りを誘う一因となりました。ヘッドライン主導の上昇が一巡したことで、足元では再び上値の重い展開に戻りつつあります。

次の注目材料

市場の関心は、今後相次ぐ米国の重要指標に移りつつあります。6月10日には5月の消費者物価指数(CPI)の発表が控え、6月17日には連邦公開市場委員会(FOMC)が予定されています。直近のインフレ指標は高止まりが続いており、CPIの結果次第ではFRBの利下げ観測が後退し、相場の重しとなる可能性があります。

イベントを前にした持ち高調整が続くなか、ビットコインは6万4000ドルの回復と6万1000ドル台の維持が当面の焦点となります。イーサリアムは1700ドル台の回復、リップルは1.1ドルの大台維持が、それぞれ次の方向性を見極める節目として意識されそうです。

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