米Strategyの優先株「STRC」が5月14日、1日あたりの取引高で過去最高となる15.3億ドルを記録しました。終値は額面の100ドルで、値動きは2セントにとどまりました。高い流動性と低い価格変動が同時に確認されたことで、同社のビットコイン財務戦略を支える資金調達手段としての存在感が一段と強まりました。
Strategyは世界最大の企業ビットコイン保有者で、5月15日時点の保有量は81万8869BTC、時価は約665億ドルです。今回の記録は、暗号資産(仮想通貨)を企業財務に組み込む動きが、株式や債券に近い金融商品を通じて広がっていることも示しました。
高配当と無希薄化でビットコイン購入資金を集める
STRCは「Variable Rate Series A Perpetual Preferred Stock」と呼ばれる優先株です。配当利回りは11.5%で、普通株の新規発行と異なり既存株主の持ち分を薄めにくい設計になっています。
Strategyにとっては、ビットコイン購入資金を確保しながら、普通株の希薄化を抑えやすい点が大きいです。転換社債やATMによる株式売却に制約がある局面でも、別の資金調達ルートとして機能してきました。
同社は過去12カ月、このSTRCを活用してビットコインの買い増しを継続してきました。4月以降の購入量は5万6,770BTC、3月以降では10万1,147BTCに達しているとみられます。STRC.liveの追跡データでは、5月14日時点の流動性は15.3億ドル、推定調達額は7億3540万ドルで、ビットコイン換算では約9066BTCに相当するとされています。ただし、この数字はあくまで推計であり、同日にその数量を実際に購入したことが確認されたわけではありません。
マイケル・セイラー会長は同日の投稿で、「過去最高の取引高。15.3億ドルの流動性。2セントのボラティリティ。額面で引けた」と示しました。5月5日の第1四半期決算では、STRCを「世界最大の信用商品に構築する」と位置付けていたとみられます。
暗号資産市場では、企業がビットコインを買うための資金をどこから、どの条件で調達するかが株価や保有量と同じくらい重要になっています。STRCのような優先株は、値上がり期待を前面に出す普通株とも、満期や転換条件に縛られる社債とも異なる中間的な商品です。今回の15.3億ドルという取引高は、その中間領域に大口資金が集まり始めていることを数字で示しました。
参考元:strategy公式
画像:shutterstock
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