
アメリカ政府公式発表
米財務省は4月1日、ステーブルコイン規制法『GENIUS法(ジーニアス法)』の実施に向けた規則案を公表しました。
発行残高10億ドル以下の支払用ステーブルコイン発行者が州規制を選べる条件を具体化したもので、連邦基準と「実質的に同等」かどうかを判断する原則が初めて示されました。
今回の規則案は、2025年7月18日に成立したGENIUS法の運用を具体化する手続きの一環です。法律が大枠を定め、規則案が実務の物差しを示す構図で、発行体にとっては「どの監督枠組みで事業を行うか」を現実的に検討できる段階に入ったことを意味します。
とりわけ中小規模の発行者にとっては、連邦免許に一本化されるのか、州制度を活用できるのかが事業設計やコンプライアンス体制に直結するため、影響は小さくありません。
米財務省、州のステーブルコイン規制評価基準を提示
GENIUS法では、一定条件のもとで州レベルの監督を認める仕組みが盛り込まれていました。今回、財務省はその前提となる「州規制が連邦規制と実質的に同等か」を評価するための包括的な基準を原則として示しました。
対象となるのは、発行残高10億ドル以下の支払用ステーブルコイン発行者です。日本円換算では約1.55兆円規模にあたり、この範囲の事業者は、州の監督制度が連邦基準と同等と認められれば、州規制の下で事業を行う選択肢を持つことになります。
大手を中心とした全国一律の連邦監督と、州制度を活用するルートが並ぶことで、米国の規制は二層構造を前提に整備が進む形です。
規則案のベースとなるGENIUS法では、準備資産について1対1の裏付けを求めています。対象となる資産も、現金、連邦準備制度の残高、短期米国債、適格マネー・マーケット・ファンドなどの高品質流動資産に限定されます。
価格が変動しやすい資産で裏付けるのではなく、換金性の高い資産で支える設計を徹底する内容で、利用者保護の中核に位置付けられています。
GENIUS法関連の規則案公表、60日意見募集へ
今回の規則案は、連邦官報への掲載後に60日間のパブリックコメントを受け付けます。最終規則の発行期限は2026年7月18日とされており、GENIUS法の成立から1年で制度の細部を固める日程が敷かれています。
制度整備は財務省単独ではありません。連邦預金保険公社(FDIC)や通貨監督庁(OCC)もGENIUS法に関連する規則案を公表しており、監督当局が足並みをそろえてルール形成を進めています。OCCは2月25日に関連提案を示しており、発行体の監督や業務範囲をめぐる実務ルールの整備が並行して進んでいます。
この動きは、米国内の発行者だけの話にとどまりません。ステーブルコインは送金、決済、暗号資産取引所での基軸通貨として国境をまたいで流通するため、米国で整った基準は事実上の国際的な参照点になりやすいからです。
日本でも改正資金決済法の下でステーブルコインの制度整備が進んでいますが、米国が州規制と連邦規制の接続条件まで明文化し始めたことで、グローバルに事業を展開するWeb3企業には、複数法域で整合的なコンプライアンス体制を組む必要性がいっそう鮮明になりました。
参考元:thestreet
画像:shutterstock
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