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中国が20兆円相当のビットコイン流出で米国関与疑惑を公式非難

2025年11月13日 16:29  11月18日 11:52  kishimoto

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中国がアメリカによる20兆円ビットコイン窃取を主張

2020年に発生したLuBian(ルビアン)マイニングプールからの大規模なビットコイン流出事件を巡り、中国政府がアメリカ政府による「ビットコイン窃取」を公式に主張しています。
中国国家コンピュータウイルス緊急対応センター(CVERC)は、アメリカが国家主導で127,272 BTC(現在価値でおよそ20兆円以上)を不正に取得したと発表しました。
一方、アメリカ政府はこのビットコインについて、違法組織による詐欺・マネーロンダリング資金として差し押さえたものであると主張しており、両国の間で主張が大きく食い違っています。

画像をクリックするとCVERCの公式HPに移動します。

事件の背景とビットコインの流出経緯

LuBianは中国を拠点にしたビットコインマイニングプールで、2020年12月に突如約127,000 BTCがホットウォレットから流出しました。
当時の価値は約35億ドルとされており、現在ではその資産価値は100億ドル以上に膨れ上がっています。この資産は、当初は不正アクセスによるものと見られていましたが、CVERCは流出直後から約4年間もの間ビットコインが移動していなかった点を指摘し、これは通常のハッカーによる即時換金の行動とは異なると分析しています。

中国側の主張と主な根拠

中国政府が提示する主な主張は以下の通りです。
正当資産の不正取得
LuBianの資産は正当なマイニング収益であり、そのBTCが米政府により窃取されたと主張しています。CVERCはブロックチェーン解析により、ビットコインが最終的にアメリカ政府に関連するとされるウォレットに移動したことを根拠としています。
国家レベルのハッキング
通常の犯罪者によるハッキングとは異なり、流出後長期間にわたりビットコインが静止していた点を「国家機関によるオペレーションの特徴」と指摘しています。
これにより、アメリカによる意図的なハッキングが行われた可能性が高いとしています。
地政学的対立の文脈
今回の主張は、米中間におけるサイバー安全保障や経済的な対立を象徴するものであり、仮想通貨領域が国家間の戦略的領域へと拡大していることを示唆しています。

アメリカ側の立場と対応

アメリカ司法省(DOJ)は、これらのビットコインはカンボジアを拠点とする詐欺グループ「Prince Group」およびその関係者Chen Zhi氏の関与によって得られたものであり、詐欺およびマネーロンダリング捜査の一環として合法的に差し押さえたと説明しています。
しかし、アメリカ政府がどのようにして対象のBTCを技術的に取得・管理したかの詳細は明かされておらず、中国側が主張する「ハッキングによる強奪説」への明確な反証とはなっていません。

技術的・法的論点

今回の事件にはいくつかの重要な論点があります。

ブロックチェーン解析と資産移動のトレース

事件後に公表された解析によれば、ビットコインは複数の中継ウォレットを経由し、最終的にアメリカ政府と関連があるとされるアドレスに到達しています。
このような資産の流れが本当に合法的押収によるものなのか、それとも国家レベルの攻撃だったのかについて、技術的検証が求められています。

差押えの合法性と透明性

アメリカ政府が行った押収手続きにおいて、どの国の法制度に基づいて行ったのか、関係者に対する訴追がどの段階にあるのかなど、透明性のある情報開示は限定的です。
このことが、中国側の「不正窃取」主張に一定の説得力を与えてしまっています。

国際法と仮想通貨押収の枠組み

現在、仮想通貨を巡る押収・差押えについては国際的な枠組みが確立されておらず、各国が独自の解釈で動いています。
今回のような国をまたぐ事件が生じることで、将来的には国際協定や新たな規制の整備が求められる可能性があります。

市場・産業への影響

この事件は仮想通貨市場や業界全体に複数の波紋をもたらすと考えられます。

投資家の警戒感の高まり

国家による資産押収の可能性が浮上したことで、大口ホルダーや機関投資家の間では「保有資産の安全性」や「保有先国の政治リスク」を再評価する動きが出る可能性があります。

監視・AML技術の高度化

ブロックチェーン分析技術を用いたトレーサビリティの向上や、不審なアクティビティの検出技術が今後ますます重視されていくと考えられます。
特に今回のように長期静止の大口ウォレットはリスク指標の1つとして注視されるでしょう。

国際規制の見直し機運

仮想通貨の押収や差押えについては、これまで国家間での整合性が乏しい状況でした。
今後は国際協調に基づいたルールの策定や、IMF・FATFなどの機関を交えたフレームワークの検討が進む可能性があります。

まとめ

今回の件は、仮想通貨が単なる投資・投機対象を超えて、国家戦略・外交・法執行の道具へと進化していることを象徴していると感じます。
特に注目すべきは、仮想通貨が「誰のものか」を巡る争いが国家間で起こりうるという点です。
ブロックチェーンという透明性の高い技術でありながら、その解釈や利用の仕方によっては、不透明性・不確実性が生まれてしまうことが今回のケースで明らかになりました。
また、仮想通貨業界にとっても、国家がいかなる理由であれ保有資産にアクセスする可能性があるという前提を持つことが今後ますます重要になっていくと考えられます。
最終的に、今回のような事件が繰り返されれば、仮想通貨の位置づけはより一層「グローバル公共財」として見なされるようになり、規制・運用面においても国際的な協力と透明性の確保が不可欠となるでしょう。

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