IG証券、ビットコインETF・イーサリアムETFのCFD取引を開始
IG証券が暗号資産ETFのCFD取引を提供開始
2025年9月30日、オンライン証券会社のIG証券は、米ブラックロックが提供する「iシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)」および「iシェアーズ・イーサリアム・トラスト(ETHA)」を原資産とするCFD(差金決済取引)の取り扱いを開始しました。
これらは米国で現物型のビットコインおよびイーサリアムETFとして注目を集めている商品で、日本国内において現物型暗号資産ETFの制度化が未整備な中、先駆的な取り組みといえます。
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CFD取引の概要と仕様
以下は、今回のCFD取引提供に関する主要なポイントです。
- 取引開始日:2025年9月30日
- 対象銘柄:IBIT(ビットコインETF)、ETHA(イーサリアムETF)
- 取引口座:バラエティ口座(VIXなどと同一)
- 取引形態:CFD(差金決済取引)
- レバレッジ:最大5倍
- 取引時間:24時間取引の対象銘柄として提供予定
CFD取引であるため、実際にETFを保有するのではなく、価格の変動に対して差金の決済を行う形式となります。
また、バラエティ口座での提供となるため、他の口座との分離管理が必要です。
税制上の扱いとリスク
今回のCFD取引は、税務上の取扱いに関して明確な基準が定まっておらず、今後の制度整備が注目されます。
税制上の分類の不確実性
暗号資産を原資産とするCFD取引においては、課税区分が「申告分離課税(先物取引)」となるか「総合課税(雑所得)」となるかについては明確な統一見解がありません。
一般的なETFを原資産としたCFDであれば、申告分離課税が適用されるケースもありますが、暗号資産関連商品については、国税庁のガイドラインで「申告分離課税が適用されない」とする記載があるため、雑所得扱いとなる可能性があります。
雑所得として扱われた場合は、最高で55%程度の累進課税が適用され、他の損益通算ができないという制限も生じます。
特に個人投資家にとっては、事前に税理士や専門家への相談が強く推奨されます。
レバレッジと価格変動リスク
最大5倍のレバレッジが適用されることから、少額の変動でも利益・損失が大きくなります。
暗号資産関連ETFは高いボラティリティを持つため、CFD取引では証拠金維持率や強制ロスカットなど、リスク管理がより重要となります。
また、スプレッドや資金調達コスト、スリッページといったCFD特有の取引コストにも注意が必要です。
日本市場における意義と位置づけ
日本においては、現物型の暗号資産ETFは未承認であり、制度整備も進行中の段階にあります。
IG証券による今回のCFD提供は、そのような制度の空白を埋める形で、仮想通貨関連資産への間接的な投資機会を提供するものです。
投資家への新たな選択肢の提供
これまでは仮想通貨の現物取引や、関連企業株式を通じた間接投資が主流でしたが、ETF型の商品をCFDとして取引できるようになったことで、より幅広いポートフォリオ構築が可能となります。
制度設計への影響と先行事例としての役割
このようなサービスの導入は、金融庁や国税庁にとっても制度設計の参考事例となる可能性があります。
実際の運用実績や課税処理の事例が蓄積されれば、今後の制度化に向けた材料となるでしょう。
また、ユーザーのニーズや反応を通じて、仮想通貨ETFに関する投資教育やリスク管理の必要性も明らかになると考えられます。
まとめ
IG証券のこの取り組みは、仮想通貨関連商品の制度が未成熟な日本市場において、大きな意義を持つと考えられます。
特に注目すべきポイントは以下の通りです。
税務上の明確化が最大の課題
投資家にとって最も重要な点は、税制上の取り扱いが明確になるかどうかです。
現時点では雑所得扱いの可能性があるため、損益通算や税率の点で不利になるリスクがあります。
今後、金融商品としてのETFを原資産とする場合に限り、申告分離課税を認めるような制度整備が進むことが望まれます。
他証券会社への波及と競争の激化
今後、他の証券会社やCFD事業者が類似のサービスを展開すれば、競争の活性化により手数料の引き下げやサービスの高度化が期待されます。これにより、仮想通貨関連商品の取引インフラが一層整備される可能性があります。
投資家の理解とリスク管理の重要性
暗号資産ETFのCFD取引は高度な金融商品であり、仕組みや税務、リスクについての十分な理解が求められます。
特に初心者層には、レバレッジ取引に対する慎重な姿勢と、適切なリスク管理体制の構築が必要不可欠です。
制度化への布石としての役割
本サービスが成功裡に運用されれば、将来的に日本国内における暗号資産ETFの現物上場や税制整備を後押しする材料となるでしょう。その意味で、今回のIG証券の取り組みは、単なる商品提供にとどまらず、制度進化の触媒となる可能性を秘めています。
IG証券によるビットコインおよびイーサリアムETFのCFD取引提供は、日本における暗号資産投資の新たなフェーズを象徴する動きといえます。
制度未整備の段階だからこそ、実際のユーザー体験とリスク対応の実績が、今後の金融商品設計や税制改革にとって貴重なケーススタディとなるはずです。
投資家としては、制度面の不確実性を理解した上で、自らのリスク許容度に応じた判断が求められます。今後の市場動向と制度対応にも注目が集まります。
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