ビットコイン(BTC)は9月4日午前8時時点で8万1199ドルと、前日から5.18%上昇しました。24時間高値は9月4日6時の8万2300ドル、24時間安値は9月3日10時の7万6968ドルです。
上昇の引き金となったのは、9月3日21時39分のウォラーFRB理事の発言です。来週の消費者物価指数(CPI)が良好なら9月は据え置きに賛成すると述べ、9月の利上げ確率は前日の約70%から48%へ半減しました。同じ時間帯に進んだ円高がドル安を招いたことも、BTCと金を同時に押し上げています。
本日4日金曜の21時30分には8月分の米雇用統計が発表されます。
値動きの振り返り

BTCは9月3日10時に24時間安値7万6968ドルをつけたあと、日中は7万7000〜7万8000ドルで推移しました。動き出したのは21時台です。21時32分に米新規失業保険申請件数、21時39分にウォラー理事の発言が伝わると7万8783ドルまで上昇しました。
上昇が加速したのは23時台です。この1時間だけで7万8841ドルから8万0550ドルまで水準を切り上げ、出来高は2514BTCと日中の5倍前後に膨らみました。4日0時には8万1348ドルへ達し、この時間帯の出来高3056BTCが24時間で最大となっています。6時に高値8万2300ドルをつけたあとは8万1000ドル台で推移しています。
9月3日の日足は値幅6.93%と、前日の2.00%から急拡大しました。恐怖・貪欲指数は65「Greed」へ上昇し、米国の現物需要を示すコインベース・プレミアムは前日の-27.82ドルから+7.74ドルへプラスに転じています。
相場を動かした背景
ウォラーFRB理事の発言で9月利上げ確率が半減
9月3日21時39分、ウォラーFRB理事は講演で「基調的なインフレはコアの数字が示すよりも良好」と述べました。続けて「足元のエネルギー価格の上昇と関税が、持続的なインフレ圧力の重要な源泉になるとは見ていない」とし、来週のCPIが2%目標へ向けた前進を示せば、9月会合では据え置きに賛成すると明言しています。
この発言を受け、CMEフェドウォッチが示す9月の利上げ確率は前日の約70%から48%へ低下しました。2年債利回りは4.33%へ当日6bp低下し、BTCは7万8400ドルへ上昇しています。市場が利上げを織り込んでいたのは、ウォーシュ新議長がジャクソンホールでタカ派に傾いたためで、その見方が1回の発言で巻き戻されました。
23時発表のISMサービス業景況指数は8月が55.4と予想の54.3を上回り、支払価格も72.6へ上昇しました。インフレ的な内容ながらBTCが上昇を続けたのは、市場が指標よりFRBの政策経路の修正を優先したためとみられます。
円高がドル安を招き、BTCと金を同時に押し上げた
もう一つの支えが為替です。ドル円は1.4%下落して156.40をつけ、前日の0.9%下落と合わせて2日間で最大2.5%の円高が進みました。ユーロ、ポンド、豪ドルもドルに対して上昇し、ドル指数(DXY)は0.4%下落の99.22と、200日移動平均の99.1を試す水準まで下げています。
通常、円高はリスク回避の合図とされますが、今回はBTCと金が同時に上昇しました。円高がドル全体の下落につながり、ドル建て資産の追い風になったためです。背景には、日銀が9月18日の会合で政策金利を1%から1.25%へ引き上げるとの観測があると報じられています。
ビットコイン(BTC)テクニカル分析
週足では価格8万1199ドルが200週線6万4876ドルを25.2%上回り、焦点だった50週線8万0390ドルを上抜けました。週足の終値でこの線を上回れば2025年11月3日の週以来となります。MACDのヒストグラムは+2491.2とプラス幅を拡大しました。8月28日の高値8万1479ドルでは定着できませんでしたが、今回は上抜けたあとも8万1000ドル台を維持しています。
日足チャート

日足では、価格が20日線7万4794ドル、50日線6万8497ドル、100日線6万6338ドル、200日線6万9603ドルをすべて上回っています。MACDのヒストグラムは+12.9とプラスへ転換しました。前日の-104.3から1営業日で切り返しています。
注目されるのは50日線と200日線の距離です。8月25日時点の-3362ドルから9月3日には-1107ドルまで縮まり、両線の上抜けが近づいています。上値メドは24時間高値8万2300ドル、下値メドは20日線7万4794ドルです。
4時間足チャート

4時間足は、価格8万1199ドルが20期間7万8351ドル、50期間7万8497ドル、100期間7万6592ドル、200期間7万0256ドルをすべて上回り、MACDのヒストグラムも+474.8とプラス幅を広げました。
一方、ボリンジャーバンド上限8万1155ドルを上抜けており、短期的な過熱を示しています。上値メドは24時間高値8万2300ドル、下値メドは20期間7万8351ドルです。
1時間足チャート

1時間足では、価格が一目均衡表の雲7万9282〜8万0481ドルの上に位置し、転換線8万1327ドル、基準線7万9634ドルは下方にあります。MACDのヒストグラムは+139.9とプラス圏です。
サポートは雲上限8万0481ドル、基準線7万9634ドル、雲下限7万9282ドルです。レジスタンスは転換線8万1327ドル、24時間高値8万2300ドル、その上がバンド上限8万2942ドルとなります。
デリバティブ動向
OI清算
先物の建玉は、Binanceで11万3152BTCです。24時間で5504BTCの増加と、前日までの横ばい圏から大きく積み上がりました。価格が5.18%上昇するなかで建玉も増えており、今回の上昇には新規の買い建てが伴っています。
資金調達率は確定値で9月3日9時が0.0073%、17時が0.0059%、4日1時が0.0089%です。建玉が増えたわりに水準は低く、ロングの過熱には至っていません。
清算ライン

ロング・ショート比率は0.778と、前日の1.213から大きく低下しました。9月3日23時の1.104から4日0時に0.984、8時に0.778へと1を割り込み、価格が5%上昇するなかで口座数では売り持ちが優勢に転じています。上位トレーダーの建玉比は1.901とネットロングを維持しました。
売り持ちが残るため、上方向では買い戻しが上昇を加速させやすい地合いです。上値では転換線8万1327ドル、24時間高値8万2300ドル、バンド上限8万2942ドルが意識されます。下値では雲上限8万0481ドル、基準線7万9634ドル、雲下限7万9282ドルが支えです。本日満期のオプションは3万715BTCで、最大の建玉は8万2000ドルのコールの6353BTCと、24時間高値のすぐ下に集まっています。
ETF
米現物BTC ETFの9月2日分は、暫定値の1430万ドル流出から反転し、1億0110万ドルの純流入で確定しました。ブラックロックのIBITが1億1540万ドルの流入で、9月1日に2億0120万ドルの売り越しを記録した動きは1営業日で終わっています。9月3日分は暫定値で8950万ドルの流入です。
本日のデイトレ注目材料
本日4日金曜の21時30分に、8月分の米雇用統計が発表されます。非農業部門雇用者数の予想は5万8000人増、前回は2万3000人減でした。ただしウォラー理事は講演で、雇用統計から多くの材料は期待しておらず、焦点は来週のCPIだと述べています。そのCPIは9月11日金曜の21時30分発表で、FOMCは9月15〜16日です。政策を決めるのはCPIだと当局者自身が示しました。なお、1994年以降、FRBが雇用者数のマイナスを示す発表から6か月以内に利上げした例はないと報じられており、前回の2万3000人減はこの観点でも意識されます。
上抜けシナリオでは、24時間高値8万2300ドルを上抜ければバンド上限8万2942ドルが視野に入ります。口座ベースで売り持ちが優勢なため、この方向では買い戻しが加速しやすい状態です。下抜けシナリオでは、雲上限8万0481ドルを割り込むと基準線7万9634ドル、さらに雲下限7万9282ドルを試す展開が想定されます。当日見るべきラインは、上値8万2300ドルと下値8万0481ドルとなります。
まとめ
4日のBTCは5.18%上昇し、8万2300ドルまで水準を切り上げました。ウォラー理事の発言で9月の利上げ確率が約70%から48%へ半減したことが引き金となり、同時に進んだ円高によるドル安が下支えしています。週足では焦点だった50週線8万0390ドルを上抜けました。
短期の焦点は、24時間高値8万2300ドルを上抜けて売り持ちの買い戻しを誘えるか、それとも雲上限8万0481ドルを割り込んで急騰分の整理に向かうかの分岐です。建玉は5504BTC増えた一方、口座ベースでは売り持ちが優勢に転じており、方向感は一致していません。本日の雇用統計は当局者自身が来週のCPIを重視すると述べた直後の発表であり、その受け止め方が短期の値動きを左右します。
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