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BIS総支配人、ステーブルコインは大規模決済に不向きと表明

2026年8月31日 13:07  8月31日 13:10  Arai Yu

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国際決済銀行(BIS)のパブロ・エルナンデス・デ・コス総支配人は8月28日、米ワイオミング州のジャクソンホール経済シンポジウムで、ステーブルコインは「大規模な決済手段として信頼に足るものではない」と述べました。暗号資産(仮想通貨)市場で決済インフラの位置付けが議論されるなか、日常決済は銀行のトークン化預金が担うべきだとの認識を示しました。

講演では、ステーブルコインが満たしていない要件として3点を挙げました。1つ目は貨幣の「単一性」で、異なる銘柄間の送金では常に額面通りの決済が保証されるわけではなく、同じ通貨を使っているという前提が崩れうるとしました。

2つ目は相互運用性です。ブロックチェーンごとに分かれた仕組みのままでは、決済ネットワークとして広く使ううえで摩擦が残ると位置付けました。3つ目には金融の健全性を挙げ、自己管理ウォレットを中心とした流通では、マネーロンダリング対策やテロ資金供与対策を徹底しにくいと指摘しました。

そのうえで、日常的な支払いは銀行預金をトークン化した「トークン化預金」が中心になるべきだと述べました。ステーブルコインについては、分散型金融(DeFi)の融資など、より限定的な用途にとどまるとの見方を示しています。

講演では、ステーブルコインの拡大が短期国債への需要を通じて政府の資金調達コストを下げる可能性には触れました。一方で、資金が銀行預金から流出すれば、銀行側の調達コストを押し上げる懸念も示しました。

BIS金融安定研究所(FSI)は前日の8月27日、米国、欧州連合、英国、香港、シンガポールにおけるステーブルコイン発行体規制の比較報告書を公表しており、BIS内で制度設計と決済機能の両面から議論を深めている構図も浮かびます。今回の講演は、BISが日常決済の担い手として民間発行ステーブルコインより銀行預金のトークン化を優先していることを示しました。

参考元:公式