国際決済銀行(BIS)は7月30日、官民連携プロジェクト「Project Agorá(プロジェクト・アゴラ)」が、実際の価値を持つトークン化マネーを使った国際決済テストを完了したと発表しました。
2026年7月に実施されたテストには、中央銀行と民間金融機関の計28機関が参加しました。
日本円を含む6通貨を対象に、企業間送金や銀行間送金、外国為替取引など17種類のシナリオを検証し、取引総額は約80万スイスフラン、日本円換算で約1億5,900万円となりました。
プロジェクト・アゴラは、トークン化された中央銀行準備金と商業銀行預金を共通基盤上で扱い、複数の通貨や法域をまたぐ国際決済を効率化する取り組みです。
今回使われたのは、民間企業が発行するステーブルコインや暗号資産(仮想通貨)ではありません。中央銀行と商業銀行が扱う既存の銀行マネーを、デジタル上で移転できる形にトークン化したものです。
平均約80秒で国際決済を完了
テストでは、企業間・銀行間送金に加え、複数の通貨を同時に受け渡す外国為替決済などを実施しました。
送金と資金の受け渡しを一体で処理するアトミック決済により、一方の取引だけが完了するリスクを抑えます。
国際送金では通常、複数の銀行や決済システムを経由するため、処理時間や照合作業、決済リスクが課題となります。
今回の仕組みでは、中央銀行マネーと商業銀行マネーを同じ基盤上で扱うことで、こうした処理を簡素化できる可能性を示しました。
BISによると、プロトタイプが各国の決済システムや銀行の基幹システムと直接接続されていない環境でも、決済開始から完了までの平均時間は約80秒でした。
取引メッセージには、国際送金で広く使われる規格「ISO 20022」を採用しており、既存の銀行システムとの連携も想定されています。
BISは5月27日にプロトタイプの検証結果を公表し、実際の価値を持つ資金を使ったテストへ進む方針を示していました。今回の発表は、その実価値取引テストを7月に完了したことを示すものです。
プロジェクトには日本銀行を含む8つの中央銀行と40を超える民間金融機関が参加しています。現時点では実験段階ですが、今回の成果は、トークン化された銀行マネーによって国際決済を高速化し、決済リスクを抑えられる可能性を示した形です。
参考元:公式
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