東証スタンダード上場のabc株式会社(8783)は7月6日、暗号資産(仮想通貨)ディーリング事業から撤退することを取締役会で決議しました。撤退予定日は7月15日です。ミームコインを中心に投資・保有してきた事業について、評価や会計処理の難しさに加え、リスク管理や内部管理体制の維持コストを踏まえ、既存事業と成長分野へ経営資源を振り向ける判断を示しました。
同社が撤退するのは、暗号資産の投資、保有、運用、調査、研究を手がける事業です。対象にはNYANMARU Coin($NYAN)、WOWBIT($WWB)、Nyanmaru GOLD Utility Token($AGF)などが含まれていました。
開示文書では、これらの資産について評価および会計処理を継続的に慎重に検討する必要があると説明しています。そのうえで、事業性や収益性に加え、リスク管理体制と内部管理体制を維持する負担を総合的に見直した結果、中長期の企業価値向上には資源配分の見直しが適切だと判断しました。
暗号資産関連事業は、保有資産の価格変動だけでなく、評価方法や会計上の扱いが経営判断に直結しやすい分野です。とくに流動性や価格形成が安定しにくい銘柄を扱う場合、日々の管理や社内統制の負荷が重くなりやすく、上場企業では事業継続の可否を左右する要素になります。
新規投資を停止し保有資産を順次処分
今後は暗号資産ディーリング事業に関する新規投資と新規取引を停止します。保有する暗号資産は、市場への影響や流動性、価格動向を勘案しながら、売却などによって順次処分する方針です。
一度に処分を進めれば価格形成に影響を与えるため、処分方法に市場流動性への配慮を織り込んだ形です。保有数量や評価額、個別銘柄ごとの処分時期は開示していません。
業績への影響は当期の通期連結業績に対して精査中としました。開示すべき事項が生じた場合は速やかに公表するとしています。
abcの暗号資産ディーリング事業は2024年12月ごろに始まっており、開始から約1年7カ月での撤退となります。今回の決定は、上場企業が暗号資産事業を手がける際に、価格変動リスクだけでなく、会計処理と内部管理の負担が事業継続の前提条件になることを示す開示となりました。
参考元:Abc-chain
