ビットコイン(BTC)は6月15日8時時点で6万5362ドルと、前日比+1.38%で取引されています。
直近24時間は、15日未明にかけて6万3678ドルまで売られたあと、米国とイランの和平合意の報道をきっかけに急反発し、6万5000ドルの節目を回復しました。市場が最も強く意識したのは、地政学リスクの後退によるリスクオンの流れです。
値動きの振り返り

BTC/USDT 30分足チャート
直近24時間のBTCは、14日朝に6万4500ドル付近で始まったあと、日中はおおむね6万4000〜6万4500ドルの狭いレンジで推移しました。方向感が乏しいまま15日未明に売りに押され、3時(日本時間、以下同じ)に24時間安値の6万3678ドルをつけています。
流れが変わったのは、アジア時間の早朝でした。米イラン合意の報道が伝わると一気に買い戻しが入り、6万5000ドルを回復。6時には24時間高値となる6万5666ドルまで上昇しました。その後はやや伸び悩み、8時時点では6万5362ドルで推移しています。
下値では6万3700ドル付近が反発の起点として、上値では6万5600〜6万5700ドル付近が戻り高値として、それぞれ短期的に意識された格好です。
相場を動かした背景
米イラン和平合意とリスクオン
今回の反発を最も直接的に説明する材料は、米国とイランの和平合意です。
トランプ米大統領は6月14日、イランとの合意成立を表明し、両者が軍事行動の即時かつ恒久的な停止を宣言しました。これに伴い、米海軍によるホルムズ海峡の封鎖も解除される見通しで、合意文書はすでに確定し、署名式は金曜(6月19日)にスイスで行われる予定とされています。
この報道を受けて、市場では地政学リスクが後退したとの見方が広がりました。ブレント原油は9%超下落して100ドルを割り込み、米株式市場ではS&P500種株価指数とナスダック総合指数がそろって最高値圏で推移するなど、幅広い資産でリスクオンの動きが強まっています。
BTCも未明の安値圏から買い戻しが入り、6万5000ドルの回復につながったとみられます。値動きのタイミングと報道の流れが重なっており、今回の24時間の反発を支えた中心的な材料と位置づけられます。
FOMCを前にした様子見
一方で、上値の重さの背景には、6月16〜17日に控えるFOMC(米連邦公開市場委員会)への様子見があります。
政策結果と会見は17日(米国時間、日本時間18日早朝)に予定され、新議長ケビン・ウォーシュ体制下で、市場は金利据え置きをほぼ織り込んでいます。結果を確認するまでは積極的に上値を追いにくく、反発後に伸び悩んだ一因になった可能性があります。
ビットコイン(BTC)テクニカル分析
日足チャート

日足では、現在値はMA20(6万6993ドル)、MA50(7万3964ドル)、MA100(7万2657ドル)、MA200(7万7681ドル)のすべてを下回っています。中期的には下落基調が続いており、直近の反発はあくまでトレンド内の戻りと整理できます。
中長期目線での上値メドは、まずMA20が位置する6万7000ドル前後、その先は7万ドルの節目です。下値メドは6万4000ドル、さらに6万3700ドルが意識されます。
まずは6万7000ドル前後のMA20を回復できるかどうかが、地合い改善を測るうえでの分かれ目となりそうです。
4時間足チャート

4時間足では、現在値がMA20(6万3975ドル)とMA50(6万3000ドル)を上回る一方、MA100(6万5654ドル)とMA200(7万1489ドル)は下回っています。短中期では底入れから持ち直しの動きが出ていますが、上値は6万5600ドル付近のMA100が壁になりやすい構図です。
押し目の判断材料としてはMA20の6万3975ドル前後、戻り売りの目安としてはMA100の6万5654ドル付近が意識されます。このMA100を明確に上抜けられるかどうかが、足元の戻りが続くかを見極めるポイントになります。
1時間足チャート

1時間足では、現在値がMA20(6万4380ドル)、MA50(6万4168ドル)、MA100(6万3636ドル)、MA200(6万2951ドル)のすべてを上回っており、短期的には上向きの勢いが出ています。
短期トレーダーが当日見るべきラインは、まず6万5000ドルの維持です。これを保てれば6万5666ドルの戻り高値を試す展開、割り込むと6万4000ドルが次のサポートとして意識されます。
サポートは6万4400ドル付近(MA20・MA50の集中帯)と6万4000ドル、レジスタンスは24時間高値の6万5666ドルと6万6000ドルとなります。
デリバティブ動向
OI・清算動向
未決済建玉(OI)は増加しました。Binance先物では約24時間前の64.5億ドル(約10万0129BTC)から66.4億ドル(約10万1581BTC)へと積み上がっており、価格の反発に合わせてポジションが増えたことを示しています。
OIの増加と価格上昇が同時に進んでいることから、足元の戻りはロングの新規参入とショートの買い戻しが併存した動きとみられます。資金調達率は+0.0044%とほぼ中立圏にとどまっており、現時点で過熱感は限定的です。
短期トレードでは、資金調達率がプラス側に大きく傾く局面では、高値掴みのリスクが高まる点に注意したいところです。
注目清算ライン

注目すべき清算ラインは、上方向が6万5600〜6万6000ドル、下方向が6万4000ドル割れから6万3700ドルにかけてです。ロング/ショート比率はグローバル口座ベースで1.4576、上位トレーダーの建玉ベースで1.1808と、ロング優勢に傾いています。
上値の6万5600〜6万6000ドルにはショートの清算が溜まりやすく、上抜け時には踏み上げで上昇が加速しやすい水準です。逆に6万4000ドルを割り込むとロングの清算が誘発され、下げが速まりやすくなります。ロング偏重が強まるほど、反落時の清算連鎖には警戒が必要です。
ETF動向
米現物BTC ETFのフローは流入に転じています。直近で確認できた単日(6月12日)は純流入8585万ドル(約1350BTC)で、うちBlackRockのIBITが5770万ドルと大半を占め、12本すべてが流入となりました。
5月中旬から6月初めにかけては13営業日で約44億ドルの流出が続いていましたが、これが一巡し、機関マネーが買い戻しに回りつつあります。流出一巡から流入回帰への転換は下値を支える要因として働きやすく、今回の反発を補強する材料といえます。
本日のデイトレ材料
今週の最大の注目イベントは6月16〜17日のFOMCで、政策結果と会見は17日(米国時間、日本時間18日早朝)に予定されています。据え置きがほぼ織り込まれているため、焦点は声明文と会見でのトーン、そして新議長ウォーシュ氏の姿勢に移りやすいとみられます。あわせて、米イラン合意の署名式が金曜(6月19日)に予定されており、続報が出れば短期で反応しやすい点も意識しておきたいところです。
短期の市場テーマは、米イラン和平を受けたリスクオンが続くのか、それともFOMCを前にした利益確定が優勢になるのか、という綱引きです。原油の急落と米株高がBTCの動きにどう波及するかも見ておきたいポイントになります。上方向の焦点は6万5600〜6万6000ドルで、24時間高値・4時間足のMA100・ショート清算帯が重なる節目です。ここを上抜ければ、日足MA20の6万7000ドル前後が視野に入ります。下方向の焦点は6万4000ドルで、1時間足の移動平均線と心理的節目が集中する水準です。割り込むと、6万3700ドルの安値再トライが意識されます。
短期トレーダーがまず見るべきは、6万5000ドルを維持できるかと、6万4000ドルの攻防です。
まとめ
本日のBTCは、米イラン和平合意を背景としたリスクオンで6万5000ドルを回復しましたが、日足ベースでは依然として主要な移動平均線をすべて下回っており、中期的には戻りの局面にあります。
短期的には6万5000ドルの維持と、上値6万5600ドル・下値6万4000ドルの攻防が焦点となります。FOMCを翌日に控え、上値追いには慎重さも残るなか、リスクオンの持続力が試される一日となりそうです。
