ビットコイン(BTC)は6月12日8時時点で6万3424ドル付近で推移しています。直近24時間では6万1204ドルを起点にじり高となり、深夜にかけて6万3933ドルまで急伸する場面がありました。24時間の騰落率は+3.63%と、軟調が続いた今週に入って最も大きな反発です。
市場で特に意識されたのは、トランプ大統領がイランとの合意に非常に近いと発言したことで、原油高を通じたインフレ再燃懸念が後退し、リスク選好が回復したことです。恐怖・貪欲指数は9から12へ持ち直したものの、依然として極度の恐怖の領域にあります。
値動きの振り返り

BTC/USDT 30分足チャート
24時間の高値は6万3933ドル、安値は6万1204ドルで、値幅はおよそ2700ドルに達しました。安値をつけたのは11日午前で、そこから日中はじり高の展開が続き、21時30分に発表された5月のPPIが大幅に上振れしても相場は崩れませんでした。
その後、イラン合意接近の発言が伝わるとショートの買い戻しを巻き込んで急伸し、深夜から12日早朝にかけて高値6万3933ドルを記録しています。この過程で、数日間にわたり上値を抑えてきた6万2857ドルのレンジ上限を上抜けた点も注目されます。足元は6万3400ドル台で高止まりしており、短期的には6万4000ドルの節目と、ブレイクした6万2857ドルが強く意識されています。
相場を動かした背景
イラン合意接近の発言とリスク選好の回復
今回の急反発の起点は、トランプ大統領による「イランとの合意に非常に近い」という発言です。9日の軍事対応表明以降、市場では原油高がインフレを再燃させ、利下げが遠のくという連想がリスク資産全般の重しとなってきました。合意への期待はその根っこにある原油リスクを和らげるもので、発言が伝わるとBTCは6万4000ドル方向へ一気に値を伸ばしました。
この発言が大きく効いた背景には、直前のPPIの内訳があります。5月のPPIは総合が前月比1.1%と予想の0.6%を大きく上回り、前年比6.5%は2022年11月以来の高さでした。ただ、財価格の上昇分の半分超はガソリンの23.4%上昇によるもので、コアは0.4%と予想を下回っています。物価上振れの主因が原油である以上、イラン情勢が落ち着けば物価圧力も和らぐという読みが成り立ち、見出しの強い数字が売りに直結しませんでした。
さらに、弱気に傾いていたポジションの偏りが急伸で巻き戻され、15分間で約3億2000万ドルのショートが強制決済されたことが上昇を増幅しています。Strategyが買い増しの継続を示唆したことも心理面の支えになったとみられます。もっとも、極度の恐怖圏から抜け出したわけではなく、底打ちの確認はこれからです。
ビットコイン (BTC) テクニカル分析
日足チャート分析

日足は5月から続く下落トレンドのさなかにあり、6月5日深夜には5万9100ドル近辺と2月以来の安値をつけていました。その後は6万0700〜6万0800ドルの帯で複数日にわたり下げ止まり、今回の大幅反発で6万3000ドル台を回復しています。日足RSIが28前後まで低下した売られすぎ圏からの反動という側面もあり、下落トレンドの転換を確認するには6万4000ドル超えの定着が次の関門となります。
上値メドは6万4000ドル、その上は6万6000ドルが意識されます。下値メドは6万1200ドル、その下は6万ドルです。なお、移動平均線やオシレーターの個別の数値は今回確認できていません。
4時間足チャート分析

4時間足は6万1204ドルから6万3933ドルへの上昇基調に転じました。数日間にわたり上値を抑えてきた6万2857ドルのレンジ上限を明確に上抜けており、短期の流れは買い方に傾いています。
中期的には、このブレイクした水準を押し目として維持できるかが焦点で、維持できれば下値を切り上げる展開につながる可能性があります。上値メドは6万3933〜6万4000ドル、下値メドは6万2857ドル、その下は6万1204ドルです。
1時間足チャート分析

1時間足は急伸後も6万3000ドル台での高値もみ合いを保っています。短期トレンドは上向きで、買い戻し一巡後も大きく崩れていない点は下値での買い需要を示しています。
短期トレーダーが本日見るべきラインは、上値では6万4000ドルの節目、下値ではブレイクラインの6万2857ドルです。サポートは6万2857ドルと6万1204ドル、レジスタンスは6万3933ドルから6万4000ドルを意識したいところです。
デリバティブ動向

BTC先物の未決済建玉は前日時点で約207億ドルと、5月初旬のピークだった約420億ドルからほぼ半減した低水準にとどまっていました。そこへ今回の急伸が重なり、15分間で約3億2000万ドルのショートが強制決済されています。先行する数週間ではロング清算が累計15億ドル超に達していただけに、清算の主役がロングからショートへ反転した形です。建玉が薄いぶん値が走りやすい地合いは続いており、短期トレードでは高値追いのリスク管理が重要になります。
注目すべき清算ラインは、上が6万4000ドル超、下が6万2857ドルから6万1200ドルにかけての帯です。弱気の建玉がなお残っているとみられるため、6万4000ドルを上抜ける場面では残存ショートの清算を巻き込んだ踏み上げが出やすくなります。一方、急伸局面で積み上がった新規ロングは浅く、6万2857ドルを割り込むと投げを誘発して下げが速まる可能性があります。スクイズ主導の上昇は現物需要の裏付けがないと息切れしやすいだけに、双方向の急変動を警戒したい局面です。
ETF動向
米現物BTC ETFは6月10日に約2億1390万ドルの純流出となり、これで4営業日連続の流出です。11日分の確定値はまだ確認できていません。
現物ETFの資金が戻らないなかでの反発はデリバティブ主導の色彩が強く、上昇が定着するにはフローが流入へ転じることが条件になるとの見方が出ています。今回の急反発を受けて機関マネーが戻るかどうか、今夜以降のフローが試金石となります。
本日のデイトレ注目材料
本日の注目材料は、23時00分に発表されるミシガン大学消費者信頼感の6月速報です。PPIが上振れした直後だけに、調査に含まれるインフレ期待の数字が注目され、強ければ利下げ観測の後退からBTCの上値を抑えやすく、落ち着いた内容であれば反発の継続を後押しする可能性があります。また、17日にFOMCを控えるなか、イラン合意をめぐる続報ヘッドラインには原油相場とともに振れやすい状況が続きます。
短期の市場テーマは、イラン続報、スクイズ後の続伸か反落か、そしてETFフローの転換の3点です。
上方向の焦点は6万3933〜6万4000ドルで、残存ショートの清算帯と重なるため、明確に超えれば踏み上げを伴った続伸につながる可能性があります。下方向の焦点はブレイクした6万2857ドルで、ここを維持できれば押し目形成、割り込むと6万1204ドルまでの調整が視野に入ります。短期トレーダーが本日見るべきラインは、上値の6万4000ドルと下値の6万2857ドルです。
まとめ
本日のBTC相場で短期的に注目すべきは、6万4000ドルの節目を上抜けて反発を定着させられるか、そしてブレイクした6万2857ドルを押し目として守れるかという点です。イラン合意への期待が原油主導のインフレ懸念を和らげた構図だけに、続報次第で相場が再び振れる可能性には注意が必要です。
FOMCを来週に控え、今夜のミシガン速報とあわせてヘッドラインに敏感な一日となりそうです。
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