米出前大手DoorDashは4月21日、決済特化型ブロックチェーン「Tempo」と連携し、40カ国超で店舗向けのステーブルコイン払い出しを始める方針を明らかにしました。対象はまず加盟店で、今後は配達員「Dashers」や業務委託先にも広げます。
国境をまたぐ送金の遅さや手数料の高さを、暗号資産(仮想通貨)ベースの決済で置き換える動きとして位置付けられます。
店舗向け払い出しから始め、配達員にも拡大
今回導入されるのは、商品代金を暗号資産で受け取る仕組みではなく、DoorDashが店舗や将来の配達員に資金を支払う「払い出し」の部分です。利用者が注文時に普段通り法定通貨で決済していても、裏側の送金インフラにステーブルコインを使うことで、着金までの時間短縮とコスト圧縮を狙います。
DoorDash共同創業者のAndy Fang氏は、ステーブルコインには「米国だけでなく世界全体の金融インフラを変える現実的な可能性がある」とみられると述べました。配達店やDashersに対して「より速く、手ごろなコストで資金を届けられるなら、それは当然の選択だ」と説明しています。
gig economyでは、働き手や加盟店が日々の売上や報酬を早く受け取れるかどうかが、資金繰りや業務継続に直結します。とくに複数国にまたがる払い出しでは、銀行営業時間、送金網の中継、為替処理などが重なり、数日単位の遅れや手数料負担が生じやすい構造があります。ステーブルコインを使った払い出しは、この摩擦を小さくする手段として採用が進んでいます。
DoorDashはまず店舗向けに提供を始め、将来的にDashersと契約先にも拡大します。配達プラットフォームにとって、注文者向けアプリの使い勝手だけでなく、裏側の資金移動をどれだけ滑らかにできるかが運営効率を左右する局面に入った形です。
Stripe系Tempoの採用で実務インフラとしての活用が進む
連携先のTempoは、StripeとParadigmが育成したpayments-firstのブロックチェーンです。2026年3月にメインネットを公開しており、企業の決済処理を主眼に据えた設計を打ち出しています。DoorDashのほか、Stripe、Coastal Bank、中南米のARQもパートナーに名を連ねています。
技術面の細かな仕様よりも重要なのは、ステーブルコインが投機対象ではなく、企業の資金移動インフラとして組み込まれ始めた点です。DoorDashのように日常利用の多いサービスが採用すると、暗号資産に詳しくない加盟店や配達員でも、意識しないまま恩恵を受ける可能性があります。表から見えるのは従来通りの配達アプリでも、裏側では送金レールが銀行中心からブロックチェーン併用へ切り替わる構図です。
参考元:theblock
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