Tether関連エンティティが、ビットコインマイニング向け金融サービスを手がけるAntalpha Platform Holding Co.の株式8.2%を取得したことが分かりました。取得したのは195万株のClass A普通株で、2025年5月13日に実施されたAntalphaの新規株式公開(IPO)で引き受けたものです。発行価格は1株12.8ドルで、資金源には運転資金が充てられました。ステーブルコイン最大手のTetherが、暗号資産(仮想通貨)の採掘インフラを支える融資分野に踏み込んだ格好です。
米証券取引委員会(SEC)に4月20日付で提出されたSchedule 13Dでは、取得主体がTether Global Investments Fundの子会社であるTether Investments S.A. de C.V.と記載されました。間接保有者として、Tether Global Investments Fundの取締役を務めるGiancarlo Devasini氏の名前も記載されています。
Antalphaは米ナスダックに「ANTA」のティッカーで上場しています。IPO後の発行済み株式総数2367万7500株を基準にすると、今回の保有比率は8.2%です。AntalphaのIPOでは385万株が発行され、調達額は約4930万ドルとなりました。
TetherがAntalpha株を取得した背景
今回の投資先であるAntalphaは、ビットコインのマイニング事業者向けに機器購入資金や運転資金を供給する金融プラットフォームを展開しています。2024会計年度末時点のビットコイン担保ローン残高は約16億ドルに達しており、マイニング機器大手Bitmainの主要な融資パートナーとして事業を広げてきました。
マイニング事業は、採掘機器の調達費用や電力コストが重く、暗号資産価格の変動も受けやすい業種です。そのため、資金調達のしやすさが採掘能力の維持や拡大に直結します。Tetherがこの領域の金融インフラに資本参加したことで、単に暗号資産を発行・流通させる立場にとどまらず、ビットコインの供給を支える周辺機能にも関与を深めた形になります。
取得株数195万株に発行価格12.8ドルを掛けると、投資規模は約2496万ドルとなります。SEC提出書類では総額の明記はありませんが、IPO価格ベースでは約2500万ドル規模の出資に相当します。Tether側は保有目的について、長期保有を前提としつつ、市場環境やその他の要因に応じて追加取得や保有継続、処分を検討する可能性があると記載しました。
株式市場はこの開示に反応しました。開示後の時間外を含む取引では、Antalpha株は一時約7.2%上昇し、9.97ドルを付けました。IPO価格の12.8ドルは下回る水準ですが、マイニング金融というニッチな分野に対し、Tetherのような大型プレーヤーが資本を投じた事実が材料視されたとみられます。
今回の出資は、両社の接点が突然生まれたものではありません。Antalphaは2025年に、Tether Gold(XAUt)を活用した貸付やトレジャリー管理の取り組みを公表しており、Tetherとの協業関係をすでに築いていました。金に連動するトークンを担保や準備資産の管理に組み込む試みで、価格変動の大きい暗号資産市場の中で、より安定した資産を組み合わせる設計が打ち出されていました。
参考元:stocktitan
画像:shutterstock
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