ビットコイン(BTC)は日本時間4月21日8時時点で約7万5700ドル付近で推移している。直近24時間では、週末に米軍がホルムズ海峡でイラン籍貨物船を拿捕したことを受けて一時7万3820ドルまで下落したが、その後は買い戻しが入り7万5000ドル台を回復した。
4月18日に7万8000ドル台まで急騰したショートスクイーズの高揚感は後退し、市場は再び中東情勢の不透明感と向き合う展開となっている。
値動きの振り返り

BTC/USDT 30分足チャート
24時間の高値は約7万5900ドル、安値は約7万3820ドルだった。米東部時間4月20日(月)の早朝に7万3820ドルまで売り込まれたが、これは前日の日曜日に米海軍がイラン貨物船を砲撃・拿捕したとの報道を受けたリスクオフの動きだった。安値をつけた後は米東部時間午前中にかけて買い戻しが進み、7万5200ドル台まで反発。その後は7万5000〜7万5700ドル付近で方向感を探る展開が続いた。
7万3000〜7万4000ドルの価格帯では買い需要が確認された一方、7万5500〜7万6000ドル付近では上値を抑えられている。2月以降繰り返し意識されている7万5000ドルラインが、引き続き短期的なレジスタンスとして機能している。
相場を動かした背景
ホルムズ緊張再燃でBTC反落、停戦の脆さ露呈
4月19日から20日にかけて、米海軍の駆逐艦スプルーアンスがホルムズ海峡でイラン籍貨物船「トウスカ」を砲撃し拿捕した。トランプ大統領はSNSで「エンジンルームに穴を開けて止めた」と発表し、イランに対して交渉に応じなければ「発電所と橋を全て破壊する」と警告した。これに対しイランの革命防衛隊は報復を示唆し、パキスタン・イスラマバードで予定されていた和平交渉への参加も事実上拒否する姿勢を示した。
わずか2日前の4月18日(金)にイランがホルムズ海峡の全面開放を宣言し、BTCは7万8000ドルまでショートスクイーズで急騰していた。しかし今回の貨物船拿捕で停戦合意の脆弱さが露呈し、市場はリスクオフに転じた。BTCは週末の薄い流動性の中で7万3820ドルまで下落し、先週末の上昇分をほぼ吐き出した。ただし、7万3000ドル台ではETFを通じた機関投資家の買い需要が下支えとなり、急落には至らなかった。
ビットコイン(BTC)テクニカル分析
日足チャート分析

日足では価格がEMA20およびEMA50の上に位置しており、短期的な回復基調が確認できる。MA50は上昇に転じており、動的なサポートとして機能している。一方でMA200は3月21日以降下落を続けており、長期的にはまだ弱さが残る構図だ。
RSIは約63で強気モメンタムが構築されつつあるが、買われ過ぎの水準には達していない。MACDも初期的な強気サインを示しており、短期〜中期では上方向への回復余地がある。上値メドは7万6800〜7万8000ドル、下値メドは7万0000〜7万1000ドル付近のMA50が意識される。
4時間足チャート分析

4時間足でも短期MA群は上向きで、買い優勢の構図が継続している。MA200も4月16日以降上昇に転じており、直近の回復が短期的なノイズではなくトレンド転換の兆候である可能性を示している。ただし7万5000〜7万5500ドル帯での攻防が続いており、この水準を明確に上抜けなければ7万8000ドルの再トライは見えてこない。
押し目の判断材料としては7万3000〜7万3500ドルが機能しており、ここを割り込むと4時間足ベースのトレンド転換リスクが浮上する。
1時間足チャート分析

1時間足では7万3820ドルからの反発を確認し、短期MAの上で推移している。当日の焦点は7万5000ドルラインを維持できるかどうかだ。このラインは2月以降、繰り返し上値を抑えてきた水準であり、日中の値動きにおいても意識されやすい。
サポートは7万3100〜7万3500ドル、レジスタンスは7万5500〜7万5900ドル。7万5000ドルを下抜けた場合は7万3000ドル方向への下落に注意が必要となる。
デリバティブ動向
OI・清算動向
BTC先物のOIは4月18日のショートスクイーズ時に過去最高の767,000 BTCに達した後、約30億ドル規模で減少している。この動きはロングポジションの段階的解消が主因であり、ファンディングレートがわずかにプラスを維持していることからもショート主導の下落ではないことが確認できる。
直近24時間の清算額は約9600万ドルと比較的落ち着いており、4月18日の7億6200万ドルと比べれば市場は小康状態にある。デレバレッジが進行している局面では、次のトレンドが出るまでボラティリティが低下しやすいが、外的材料で急変する可能性も残る。
注目清算ライン

上方向では7万5500ドル以上にショート清算が約2億ドル集中しているとの分析があり、この水準を超えるとショートスクイーズ的な上昇加速が発生しやすい。下方向では7万3000ドル以下にロング清算が12.77億ドル集中しており、この水準を割り込むと連鎖的な下落リスクがある。
7万3000〜7万5500ドルのレンジ内にいる限りは比較的安定するが、どちらかに抜けた場合は値動きが加速しやすい点に注意が必要だ。
ETF動向
4月13〜17日の週にBTC現物ETFは約9億9600万ドルの純流入を記録し、3週連続のプラスとなった。週内最大は4月17日の6億6391万ドルで、BlackRockのIBITが週間9億610万ドルと突出した吸収力を見せた。Morgan StanleyのMSBTも新規参入組として存在感を増しており、8日連続の流入で累計1億3300万ドルに達している。ETF純資産残高は1014.5億ドルと大台を回復した。ETFフローとBTC価格の相関は高まっており、流入が続く限りは7万3000ドル台での底堅さが維持される可能性がある。
本日のデイトレ注目材料
本日最大の注目は日本時間21時30分に発表される米国3月小売売上高だ。前回は前月比+0.6%で、今回のコンセンサスは+1.3%と大幅な加速が見込まれている。コア(自動車除く)も前回+0.5%→予想+1.0%と強い伸びが想定されており、予想を上回れば米国消費の底堅さが意識されてドル高・リスクオン方向に振れやすい。一方、予想を下回ればリセッション懸念が強まり、BTC含むリスク資産への売り圧力が高まる可能性がある。
それ以外では、米・イラン和平交渉の動向が引き続き最大の不確定要素だ。バンス副大統領、ウィトコフ特使、クシュナー氏がパキスタン・イスラマバードへ向かう予定だが、イラン側は交渉拒否の姿勢を示しており、停戦期限の接近と合わせて突発的なヘッドラインリスクが残る。
上方向の焦点は7万5500〜7万6000ドルだ。この水準を超えるとショート清算連鎖が発生し、7万8000ドルの再トライが視野に入る。下方向の焦点は7万3000〜7万3500ドルで、ここを割り込むとロング清算連鎖による7万0000ドル方向への急落リスクがある。短期トレーダーは7万5000ドルラインの攻防を軸にしつつ、21時30分の小売売上高発表と中東関連のヘッドラインに注意を払いたい。
まとめ
4月18日のショートスクイーズによる急騰は、わずか2日でイラン貨物船拿捕という新たな地政学リスクによって帳消しとなった。ただし7万3000ドル台ではETFを通じた機関投資家の買いが下支えとなっており、一方向に崩れる展開にはなっていない。本日は米国小売売上高と中東情勢の続報が短期の方向感を左右する局面となりそうだ。
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