米ステーブルコインUSDCの発行元Circleが3月23日夜に一括凍結した16の事業者向けホットウォレットのうち、1つの凍結を解除したことが分かりました。
オンチェーン調査者ZachXBT氏が3月26日に確認したもので、解除対象はGoated.com関連のホットウォレットです。民事訴訟に基づく凍結措置が数日で一部見直されたことで、発行体による凍結判断の精度と説明責任が改めて問われています。
Circleは23日夜、16のビジネス用ホットウォレットにあるUSDC残高を凍結しました。複数報道によると、措置の根拠は詳細が非公開のまま封印された米国の民事訴訟です。Circleは本稿執筆時点で、この凍結や解除について公式声明を出していません。
ZachXBT氏は凍結直後から、対象の一部が業務用ホットウォレットであることは基本的なオンチェーン分析で数分あれば特定できると指摘していました。無関係な事業者の資金移動まで止める形になっているとして、判断の妥当性に疑問を呈していた経緯があります。
3月26日に解除が確認されたのは、Goated hot walletとされるアドレス「0x61f…e543」です。報道ベースでは、当該ウォレットには約13万966USDCが保有されていました。16件をまとめて止めた後に個別の解除が入った形となっており、凍結対象の選定が一律ではなかった可能性を示しています。
USDCの凍結機能、銀行の差し押さえに近い効力
今回の論点は、凍結されたのが個人の疑わしいアドレスではなく、サービス運営に使われるホットウォレットだった点にあります。ホットウォレットは入出金や決済処理の中継地点にあたるため、ここが止まると利用者側では送金失敗や出金遅延といった形で影響が表面化しやすくなります。
ZachXBT氏も、影響を受けたサービスで失敗トランザクションが発生していると投稿していました。封印された民事訴訟の中身が見えないなかで、複数の事業者ウォレットが一括で凍結されたことは、USDCがブロックチェーン上で流通していても、発行体の管理権限が実務面では強く作用することを改めて示したと言えます。
USDCのスマートコントラクトにはブラックリスト機能が組み込まれており、Circleは有効な裁判所命令に従って特定アドレスの資産を凍結できます。銀行口座の仮差し押さえに近い効力を、トークン発行体がコントラクトレベルで行使できる仕組みです。
法令順守のために必要な機能である一方、対象選定に誤りや過不足があれば、ブロックチェーン上の資産であっても即座に流動性を失うことになります。
今回の事例は、ステーブルコイン発行体が持つ強い管理権限と、その行使に伴う説明責任が表裏一体であることを示す事例として受け止められています。
参考元:cryptonews
画像:shutterstock
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