米資産運用最大手ブラックロックのラリー・フィンク会長兼CEOが2026年の株主レターで、同社の暗号資産(仮想通貨)事業について「今後5年以内に」年間約5億ドルの収益を生み出す可能性を示したことが分かりました。日本円換算で約800億円に相当し、暗号資産を試験的な取り組みではなく、全社の成長を担う新規事業として位置づけた形です。
この暗号資産事業はブラックロックが2025年のInvestor Dayで示した「4つの新事業」の一つとみられます。各事業はいずれも少なくとも年間5億ドル規模の収益余地を持つとされ、同社が暗号資産分野を本格的な収益源として見込み始めたことが鮮明になっています。
IBITやBUIDL含む暗号資産事業を成長戦略に明記
今回のポイントは、ブラックロックが暗号資産を単なる商品ラインアップの拡充ではなく、将来の収益計画に組み込んだ点です。
ブラックロックは2025年に示した中長期の経営目標で、2030年までに全社売上高を350億ドル超、営業利益を150億ドルへ引き上げ、時価総額を約2倍の2800億ドル規模に拡大する方針を掲げています。今回の暗号資産事業の年間5億ドルという目標は、その全体戦略の中で位置づけられているものです。
この収益目標の背景には、すでに積み上がっている運用残高があります。
ブラックロックは現在、デジタル資産関連で約1500億ドルを管理しています。中核を担うのが米国の現物ビットコインETF『iShares Bitcoin Trust(IBIT)』で、同商品を通じて約80万BTCを管理しているとされます。
これは、暗号資産事業が構想段階ではなく、すでに大規模な資産集積を伴う事業になっていることを意味しています。運用会社にとって収益の基盤は、預かった資産に対して継続的に得る手数料です。暗号資産関連の運用残高がここまで膨らめば、ETFの管理報酬や関連サービス収入が安定収益として育つ余地は大きくなります。
ブラックロックは、現物ビットコインETFに加え、トークン化ファンド「BUIDL」なども展開しており、暗号資産分野を単なる投資商品の提供にとどまらない事業領域として広げています。今回の収益目標の明示は、同社がデジタル資産を中長期の成長分野として本格的に位置づけていることを示すものです。
参考元:forbes
画像:shutterstock
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