ビットコインが20%超上昇したことで年間の対ドル下落幅は一部の法定通貨より小さくなった。
今後の値動きをリーマンショック時の金と比べることで安全資産説が検証できそうだ。
ビットコインはコロナショック後のド級インフレ対抗策か
暗号資産(仮想通貨)分析会社のアーケイン・リサーチはビットコインが一部の法定通貨よりも資産価値を保つ働きをしていると最新のレポートで指摘した。
今年1月以来の円・ユーロ・英ポンド・ビットコインの対ドル価値の変化率を比較したところ、ビットコインの下落幅は-2.23%となり、ユーロ(-4.42%)やポンド(-11.17%)を上回る水準まで回復したことが分かった。

(画像:Arcane Research)
新型コロナウイルスのもたらした金融市場の動揺を抑えるため、各国の中央銀行はそろって歴史上最高レベルの金融緩和を打ち出し、通貨の供給を著しく増やした。
通貨の過剰な発行は大幅なインフレを招きかねず、相対的に資産を目減りさせる恐れがある。
第一次世界大戦後、多額の賠償金を支払うためドイツ政府が大量の紙幣を発行し、当時の法定通貨マルクが紙くず同然になってしまった例などがある。
同社は中央銀行の意向によって無制限に供給可能な法定通貨より希少性や地政学リスク耐性、非中央集権性を持つビットコインのほうが資産保全に有効だと投資家が気づき始めたのではないかと分析している。
リーマンショック時のゴールドと似た値動き
同社はまた、米国株式市場との相関の高さを指摘している。
代表的な株価指数S&P500との相関係数は週間で0.480上昇し、0.584を記録。
ボラティリティの高い暗号資産(仮想通貨)市場から資金が逃避したことが原因とされており、ビットコインは安全資産ではないと評価する声が上がっている。

(画像:Arcane Research)
しかし、リーマンショック時の金の値動き(下図、黄色の線)を振り返ると、直後は値上がりしたもののその後、大きく売り込まれていることが分かる。
金は一般的に安全資産とされ、リスクオフ局面では買われる傾向があるにも関わらずだ。

(画像:Trading View 黄色=金、赤=円、青=ユーロ、紫=ポンド。全て対ドル)
金が売られた要因として、株式市場の含み損に対応すべく追証拠金に当てたり、手元に現金を確保したりしたことが挙げられる。
ビットコインもこのような要因で売り込まれたのだとすれば、今後、金と同様の流れをたどる可能性がある。
短期的な値動きだけを見てリスク資産と評価するのは時期尚早だ。
暗号資産(仮想通貨)の行く末をじっくりと見極めたい。
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