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BIS、現金並みの匿名性を備えたCBDCを試作|ゼロ知識証明など活用

2026年10月14日 16:49  Arai Yu

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国際決済銀行(BIS)のイノベーション・ハブは10月13日、香港金融管理局(HKMA)などと共同で、現金並みの支払者匿名性を備えた中央銀行デジタル通貨(CBDC)試作品「Project Aurum Phase 2」を公表した。暗号技術分野で用いられるプライバシー保護技術を公的デジタル通貨に組み込む試みとして位置づけられる。

試作品は、既存のAurumコードベースを拡張したプライバシー強化型の設計だ。BBS+署名とゼロ知識証明(ZKP、取引内容を明かさず正しさを示す技術)、暗号化を組み合わせ、KYCを終えた利用者に認証情報を発行し、取引ごとに異なる仮名を生成する。加盟店、商業銀行、中央銀行のいずれにも、支払者の身元を開示せずに決済できる構成とした。

匿名性は支払者に重点を置く一方、受取人の情報は加盟店側の銀行に開示する。銀行間の台帳も分離し、取引検証時には金額や本人情報を秘匿したまま正当性を確認できるようにした。中央銀行は取引金額を把握できるが、消費者や加盟店の詳細情報は把握しない設計となる。

対象には、残高や取引額に上限を設けた制限付き匿名ウォレットも含めた。KYC後に発行する仕組みで、観光客などの利用を想定している。BISは報告書で「設計段階からのプライバシー確保と、初期設定でのプライバシー保護の原則」を採用し、完全匿名と完全透明の間を取る方式を示した。

一方で、実用化に向けた課題も示した。顧客情報を保有する銀行が単独で侵害された場合、利用者データが露出する可能性が残る。処理速度にも制約があり、量子耐性も未解決の論点として挙がった。

試作品は実験的なプロトタイプで、本番運用に使える段階には達していない。今回の公表は、支払者側について、現金に類似した匿名性を実現する技術的アプローチを示す一方、実装面では銀行のデータ保護と性能確保が残ることを示した。

参考元:国際決済銀行(BIS)
画像:Shutterstock

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