ビットコイン(BTC)は8月4日午前8時時点で6万3570ドルと、前日からほぼ横ばいで推移しています。ただし直近24時間は値幅が大きく、3日の日中に6万2300ドルまで売られたあと、米国時間に入って6万4000ドル近くまで買い戻される展開でした。
売りを主導したのは、含み損を抱えた短期保有者の損切りです。取引所へ大量のBTCが移動したと報じられ、安値を試す動きにつながりました。一方でその水準では押し目買いも入り、下ヒゲの長い一日となっています。もっとも、割り込んだ200週移動平均線は回復できていません。
値動きの振り返り

BTC/USDT 30分足チャート
3日のBTCは午後にかけてじりじりと水準を切り下げ、16時台に出来高を伴って売られたあと、17時半に24時間安値となる6万2300ドルを付けました。その後は6万2500〜6万2800ドルでもみ合いが続いています。
流れが変わったのは、米国株式市場が開いた直後の23時ごろです。この時間帯に出来高が急増し、6万3300ドル台から6万3766ドルまで一気に買い戻されました。4日未明には6万4000ドルに接近しましたが、そこからは伸び悩み、現在は6万3570ドル前後です。24時間高値は6万4080ドルで、上値は6万4000ドル前後が重くなっています。
相場を動かした背景
短期保有者の損切り売りと、押し目買いの交錯
下押しの背景として、短期保有者が損失を確定させる動きがみられました。3日には3万BTCを超える規模が損失を抱えた状態で取引所へ移動し、過去30日で最大の投げ売りになったとされています
ただし、この売りは一方的な下落にはつながりませんでした。6万2300ドルの水準では押し目買いが入り、米国時間には出来高を伴って買い戻されています。投げ売りが出た直後に買いが入る展開は、下値では実需が働いていることを示すものです。もっとも、この投げ売りが収束したと判断するのは早計で、キャピチュレーションはまだ続くとの見方も出ています。
好材料に反応できない需要の弱さ
反発の勢いが限られている点も見逃せません。トランプ大統領は2日、対イラン空爆の一時停止を発表し、7月末に相場を揺らした地政学リスクは後退しました。それにもかかわらず、暗号資産市場は目立った上昇で反応していません。
現物の買い需要が細く、好材料が出ても上値を追う力に欠けている状況です。イーサリアム(ETH)が1.1%安、リップル(XRP)が0.8%安とアルトコインが下げていることも、市場全体の慎重な姿勢を映しています。
ビットコイン(BTC)テクニカル分析
日足チャート分析

日足では、現在値が20日線(6万4415ドル)を下回り、50日線(6万3363ドル)の上にあります。100日線(6万8667ドル)と200日線(7万1007ドル)は大きく上方で、戻り売りの壁として意識されます。
3日のローソク足は長い下ヒゲを伴っており、安値圏での買い意欲が確認できます。MACDのヒストグラムはマイナス圏ながら悪化が一服しました。上値メドは20日線の6万4415ドル、下値メドはボリンジャーバンド下限の6万2520ドルです。
4時間足チャート分析

4時間足は、現在値が20線の6万3134ドルを上回り、短期の下げ止まりを示しています。MACDのヒストグラムもプラス幅を広げ、反発の勢いが確認できます。
ただし50線が6万3804ドル、200線が6万3827ドルにあり、6万3800ドル前後には複数の抵抗が集中しています。ここを抜けられるかが目先の分かれ目です。下値メドはバンド下限の6万2379ドルです。
1時間足チャート分析

1時間足では、現在値が20・50・100時間線を上回り、一目均衡表の雲(6万3030〜6万3266ドル)の上にも浮上しています。短期は買い優勢です。
ただしMACDのヒストグラムは小幅なプラスにとどまり、勢いは限定的です。当日の下値サポートは雲の上限にあたる6万3030ドル、その下が6万2300ドルです。上値レジスタンスは6万3800ドル前後、次いで6万4080ドルとなります。
デリバティブ動向
OI・清算動向
先物の建玉(OI)は、3日の下押し局面で約11万1600BTCまで増加したのち、反発とともに約10万8500BTCへ減少しました。想定元本は約69億ドルです。下げの過程でショートが積み上がり、戻りの局面でその買い戻しが出た動きとみられます。
注目すべきはロング・ショート比率で、前日の約2.0倍から約1.45〜1.49倍まで低下しました。下値で膨らんでいた個人のロードが整理され、需給は軽くなっています。資金調達率もBinanceで0.0025%と前日の0.0100%から低下し、OKXはほぼゼロで、過熱感は後退しました。清算総額の実数は未取得です。
注目清算ライン

ロングの傾斜が解消されたことで、下値で損切りを巻き込むリスクは前日より和らいでいます。それでも6万2300ドルの安値を割り込めば、6万2000ドルに向けて下押しが加速しやすい状況です。
上方では6万3800ドル前後に200週線と4時間足の主要移動平均線が重なり、最初の関門となります。ここを回復できればショートの買い戻しを誘いやすくなります。
ETF・需給動向
米現物BTC ETFは、7月31日に2億6540万ドルの大幅流出を記録したあと、8月3日は490万ドルの小幅流入(速報値)と、資金の流出は止まりました。
大幅な売りが止まったことは下値の下支えとなりますが、流入額はごくわずかで、積極的な買い戻しには至っていません。機関投資家が様子見に転じた状態といえます。短期保有者の投げ売りが報じられる一方、長期保有者は比較的落ち着いているとされ、大口の具体的な売買数量は未取得です。
本日のデイトレ注目材料
当面の焦点は、6万3800ドル前後に集まる抵抗帯を上抜けられるかどうかです。200週移動平均線と4時間足の50線・200線が重なる水準で、ここを終値で回復できなければ、戻り売りに押される展開が続きやすくなります。
今週は8月7日に7月分の米雇用統計の発表を控えています。労働市場の減速が確認されれば9月の利下げ観測が強まり、リスク資産の追い風となり得ます。反対に想定より強い結果となれば、利下げ観測が後退して重しとなります。
上抜けシナリオとしては、6万3800ドルを回復すれば6万4415ドルの日足20日線までの戻りが見込めます。下抜けシナリオでは、6万3030ドルの雲上限を割り込むと6万2300ドルの安値が意識され、そこを下抜ければ6万2000ドル、さらに5万8000ドル台が視野に入ります。短期トレーダーが当日見るべきラインは、上値の6万3800ドルと、下値の6万2300ドルです。
まとめ
4日のBTCは、短期保有者の損切り売りで6万2300ドルまで下押ししたあと、米国時間の押し目買いで6万4000ドル近くまで戻し、結果的にほぼ横ばいで一日を終えました。下値では買いが働いている一方、地政学リスクの後退という好材料にも反応できず、需要の弱さも同時に確認されています。
個人のロング整理とETF流出の停止で需給は軽くなりましたが、オプション市場では6万ドルのプットに人気が集まり、下方への警戒は根強い状況です。まずは6万3800ドル前後の抵抗帯を抜けて200週線を取り戻せるかが試金石で、抜けられないうちは投げ売りの再燃に警戒が必要です。