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JPYCがUpbit上場直後に一時4.2円へ急騰|1円との価格乖離の理由とは

2026年9月19日 11:28  9月19日 11:30  Arai Yu

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KRW/JPYC 15分足チャート

円建てステーブルコインJPYCが9月17日、韓国大手の暗号資産(仮想通貨)取引所アップビット(Upbit)に上場した直後、裏付けの1円から大きく離れて一時37.6ウォン、日本円でおよそ4.2円まで上昇しました。

上場したのは韓国ウォン(KRW)、BTC、USDTの3市場です。取引開始は当初予定されていた12時から15時、さらに18時へと2度延期されました。取引が始まると、価格は始値12.00ウォンから急上昇し、この日の売買代金は日本円で約322億円に達しました。

1円との価格乖離の理由とは

Upbitが入出金に対応したのは、イーサリアム上で発行されたJPYCだけでした。当時のイーサリアム版は流通量全体の約7%にとどまり、Upbitへ供給できるJPYCが限られていました。売り注文の少ない板に買いが集中し、価格が跳ねやすい状況でした。

JPYC、仮想通貨取引所アップビットに上場|初の韓国ウォン取引ペアを開設

さらにUpbitでは、新規銘柄の取引開始後約5分間、買い注文が制限され、基準価格を一定以上下回る売り注文も受け付けられませんでした。その後も約2時間は成行注文を利用できず、指値注文だけが受け付けられました。

取引開始は当初の12時から15時、さらに18時へと2度延期されました。この間に待機していた注文が、18時の取引開始直後に集中した可能性があります。新規上場を検知して自動発注するBotなどが、JPYCの取得を優先して1円を大きく上回る指値を設定したことも考えられます。ただし、公開情報だけからBotの関与を断定することはできません。注文制限と開始延期、売り板の薄さが重なり、高い買い注文が約定しやすい環境だったとみられます。

高値が一定時間続いた背景には、JPYCを1円で発行できる環境と、Upbitで売買できる環境が十分につながっていなかったこともあります。日本の利用者はJPYC EXで発行できますが、Upbitのウォン市場には利用条件があり、発行したJPYCをすぐに売れるとは限りません。一方、韓国の利用者はUpbitで購入できても、JPYC EXの本人確認要件があるため、1円のJPYCを発行して市場へ供給することは容易ではありませんでした。

入金経路もイーサリアム版に限られていたため、「1円で発行して高値の市場で売る」という裁定取引が短時間では広がりませんでした。価格を1円へ近づける売りの供給が追いつくまで、限られたJPYCに買い注文が集中し、価格差が残りやすい状態になっていました。

JPYCの1円発行・償還は変わらない

JPYCは、資金決済法上の電子決済手段に当たる日本円建てステーブルコインです。日本円とJPYCを1対1で交換でき、発行残高の100%以上を日本円の預貯金や国債で保全する仕組みが採られています。今回3〜4円台を付けたのは二次流通市場の取引価格であり、JPYC EXの発行・償還価格が変更されたわけではありません。

今回の急騰だけを根拠に、「JPYCがステーブルコインではなくなった」「裏付け資産や1円償還に問題が起きた」と判断することはできません。ステーブルコインとしての仕組みが崩れたのではなく、供給の限られた市場に買いが集中し、1円の発行・償還価格と二次流通市場の取引価格が一時的に大きく離れた事例として整理するのが適切です。

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