Coldcardハードウェアウォレットの一部機種で生成されたビットコインの秘密鍵の探索可能性が高まり、合計1367.05BTCが4585アドレスから流出したことが分かりました。
被害は3回に分けて発生し、最大の流出は2026年7月30日1時10分から1時51分(UTC)にかけて起き、1196アドレスから1082.65BTCが引き出されました。
Galaxy Researchのオンチェーン分析で被害の全体像が明らかになり、製造元のCoinkiteも影響範囲と対応策を公表しました。
ハードウェアウォレットの安全性を支える乱数生成の不備が、大規模な資金流出につながりました。
問題となったのは、Coldcard Mk3のファームウェア4.0.1から4.1.9で、ハードウェアの真性乱数生成器が正しく機能せず、ソフトウェアの疑似乱数生成に切り替わっていた点です。
Coinkiteはこの状態で生成されたシードに十分なエントロピーがなく、有効な乱数強度は約40ビットにとどまったと説明しています。
この欠陥はMk3が中心ですが、Mk4、Q、Mk5でも旧ファームウェアでは約72ビット相当の影響がありました。
攻撃は単一署名アドレスを対象に実行され、流出した資金はGalaxy Researchの調査時点で、7つのアドレスに移されたまま使われていません。
影響を受ける条件と推奨対応
Coinkiteは、影響を受ける可能性が高いのは、該当ファームウェアでシードを生成し、少なくとも50回の独立したプライベートなダイスロールを使って追加の乱数を入れていない利用者だとしています。
強力で固有のBIP-39パスフレーズを設定していない場合もリスクが残ります。
ファームウェアを更新しても、過去に弱い乱数で作られた既存シードはそのまま残ります。
Coinkiteは緊急のホットフィックスを公開し、Mk3では4.2.0以降、Mk4とMk5では5.6.0以降、Qでは1.5.0Q以降への更新を案内していますが、あわせて新しいシードの生成か、安全な別ウォレットへの資金移動を推奨しています。
利用者にとっての実務上の意味は明確です。該当時期のColdcardで作成したウォレットをそのまま使い続けるのではなく、まず資金を退避し、その後に更新済み環境で新しいシードを作り直す必要があります。
秘密鍵の生成時点に欠陥があった場合、端末のソフトウェアだけを直しても、すでに作られた鍵の弱さは解消されません。
今回の件は、暗号資産(仮想通貨)の自己保管用ハードウェアウォレットでも、乱数生成の設計や実装に問題があれば保管の前提そのものが崩れることを示しました。
Coinkiteは技術的な背景説明も公表しており、影響を受ける可能性のある利用者には即時の資金移動を求めています。
参考元:Coinkite
画像:Shutterstock
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