キャシー・ウッド氏率いるARK Investで暗号資産(仮想通貨)リサーチを率いるLorenzo Valente氏は7月28日、業界が「歴史上で最大の調整局面」に入っているとの見方を示しました。
アプリ収益はHyperliquidとPump.funの2プロジェクトで67%を占め、Ethenaを加えた上位3プロジェクトでは約80%に達しているとしています。
資本が需要に適合しないプロジェクトから急速に離れつつあり、業界再編が一段と進んでいる構図が浮かびます。
Valente氏は自身のX投稿で、今回の調整は過去の弱気相場より「はるかに深い」と表現しました。
対象は価格下落に限らず、アプリ、ミドルウェア、レイヤー1といった主要レイヤーの収益構造そのものです。
同氏が示したのは、収益の偏りが過去最高水準に達しているという点です。
利用者や手数料収入が一部の勝ち組プロジェクトに集中する一方、十分な需要を獲得できていないチームや取引所からは資本が引き揚げられていると述べました。
暗号資産市場ではトークン価格や資金調達額が注目されやすいものの、実際にサービスが使われ、継続的に収益を生んでいるかどうかが、企業価値の選別基準として改めて前面に出てきた形です。
収益集中で進む業界再編
Valente氏は、今後数カ月でM&A、米連邦破産法11条の申請、プロジェクトの運営停止、人材獲得を目的とした買収が増えると予想しました。
単独で成長を続けにくい事業が市場から退出し、利用者基盤や開発力を持つ企業に資産や人材が吸収される流れを想定しています。
この見立ては、足元の業界動向とも重なります。暗号資産デリバティブ取引所BitMEXは取引所閉鎖を予定しており、BitMartも取引サービス終了と段階的な運営停止を進めています。
いずれも業界全体を代表する事例とまでは言えないものの、収益機会が限られる環境で、中小事業者や競争力の弱いサービスの運営継続が難しくなっていることを示す材料です。
一方で、Valente氏はこの局面を「業界にとって極めて強気だ」と評価しました。
収益を生まないプロジェクトに資本が滞留し続けるよりも、実需を持つプロダクトに資金と人材が集約される方が、市場の健全性は高まりやすいためです。
短期的には撤退や破綻が増える厳しい局面でも、長期的には利用者が定着した事業を軸に業界構造が引き締まる可能性があります。
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