暗号資産(仮想通貨)市場は7月23日から24日午前にかけて、3通貨そろって下落しました。23日は横ばいで、23日夜から24日朝方に一段安となっています。目を引くのは値幅の差で、イーサリアムの下げはビットコインの約2.5倍です。
動いた時間帯は米国株と重なりますが、相場を決めたのはAI関連の急落ではなく、原油高から利上げ観測へつながる道筋でした。同じ日には金も2%安となっています。
ビットコイン、6万5000ドルの攻防

BTC/USDT 1時間足チャート
ビットコインは6万6340ドルを高値に、24日朝方は6万4626ドルまで押されました。現在は6万5045ドルと24時間で1.14%安です。
始まりは米国株と同じ時間帯ですが、中身は異なります。ナスダック総合は2.15%安と1カ月で最大の落ち込みでしたが、売られたのはアルファベットやテスラなど一部の大型テックで、半導体はむしろ堅調でした。下げ幅も指数の約半分です。
注目したいのは同じ日に2%安となった金です。中東情勢の緊迫で買われるはずの金が手放されるのは、恐怖ではなく実質金利の上昇が支配した局面に限られます。米10年債利回りは4.70%と年初来の高さです。
イーサリアム、1900ドル割れも現物ETFには資金流入

ETH/USDT 1時間足チャート
イーサリアムは1954ドルを高値に、24日午前は1870ドルまで沈みました。現在は1873ドルと24時間で2.85%安で、1900ドルを割り込みました。最も深い調整ですが、資金が逃げたわけではありません。現物ETFは4営業日続けて流入し、22日はそのなかで最大の7264万ドルでした。
圧迫されたのはレバレッジ側で、建玉に対する清算の比率はBTCの約2倍です。米国株が終盤に持ち直したあとも戻らず、24日午前に安値を更新しています。
リップル、1.11ドル台へ軟化

XRP/USDT 1時間足チャート
リップル(XRP)は1.15ドルを高値に1.10ドルまで軟化し、現在は1.11ドルと24時間で2.65%安です。同じ時間帯にはクラリティ法案の成立期待が後退したとも伝わりましたが、規制に最も敏感なリップルはETHより弱くありません。
売られた向きは3通貨に共通で、差がついたのは個別の材料ではなくレバレッジの偏りでした。
原油・雇用・関税が金融政策観を一変
金融政策観の急変が正体です。イエメンの武装勢力がサウジのタンカーを攻撃し、ブレント原油は7%高の100ドル台と約2カ月ぶりの水準へ急伸しました。米新規失業保険申請件数は18万7000件と低く、利下げの根拠だった労働市場の弱さも薄れています。
さらに米国は60カ国に10%から12.5%の関税を課すと発表しました。3つが重なり、来週のFOMCでの利上げ確率は1週間前の1割台から3割台半ばへ跳ね上がりました。
FOMCとクラリティ法案が焦点
焦点は28日から29日のFOMCです。据え置きが本命ながら、市場は利上げの可能性を織り込み始めました。FRBはブラックアウト期間で、この動きに反論する高官がいません。クラリティ法案も上院トップが8月の休会前の成立に否定的で、7月に膨らんだ期待の大半が剥落しました。
上値の目安はビットコインが6万6000ドル、イーサリアムが1900ドル、リップルが1.15ドルの回復です。
