Galaxy Digitalは7月21日、ビットコインの量子耐性強化を目的とする「Bitcoin Quantum Readiness Initiative」を発表し、最大500万ドルの開発者向け助成金プログラムを始めました。
支援対象には、耐量子署名の実装やレビュー、ウォレット・カストディアン向けの移行ツール開発、提案実装の正式なセキュリティ監査が含まれます。
量子コンピュータへの備えを資金面から後押しする取り組みですが、ビットコインの分散型ガバナンスの性質上、設計から展開までには数年単位の時間がかかる見通しで、助成金は開発者と研究者を対象とし、個別評価のうえでマイルストーンごとに支払われます。
今回の取り組みは助成金だけではありません。Galaxy Researchが量子脅威に関する分析や研究の発信を継続し、あわせて外部専門家で構成する「Quantum Advisory Council」も設立しました。
Galaxy創業者兼CEOのMike Novogratz氏は、デジタル資産分野のリーダーとして、量子コンピューティングがビットコインにもたらし得る潜在的な脅威への解決に関与することが重要だと述べました。
Galaxyの調査部門責任者Alex Thorn氏は、急速に進む量子コンピューティングの世界と、ポスト量子暗号への本格対応を始めたばかりのビットコイン開発の間には隔たりがあるとしています。
ビットコインの量子耐性移行は数年単位
ビットコインで使われる楕円曲線暗号は、理論上は量子コンピュータ上のショアのアルゴリズムによって脅かされ得ます。現時点で、その脅威を現実化する暗号学的に関連する量子コンピュータは存在していません。
ビットコイン側の対応は、単に新しい暗号方式を決めれば終わる話ではありません。量子耐性を持つ署名方式をプロトコルにどう統合するか、既存ウォレットや保管事業者がどう利用者資産を移すか、提案の安全性をどう検証するかといった工程が必要になります。
Galaxyが助成対象に移行ツールや監査を含めたのは、理論研究だけでなく、実際の利用環境で動く準備を進める狙いがあるためです。
Galaxyは今回の取り組みを自社単独の活動にとどめず、他社や開発者にも参加を呼びかけています。ビットコインの量子耐性は、単発の研究テーマではなく、暗号資産(仮想通貨)の基盤維持にかかわる実装課題として扱われ始めています。
参考元:公式
画像:Shutterstock
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