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ビットコイン、中東緊迫と原油急騰下でも6万4000ドル台を維持|株安を横目にFOMC待ち

2026年7月20日 09:13  7月20日 09:14  Arai Yu

※この記事には広告・PRが含まれます

ビットコイン(BTC)は20日午前7時30分時点で6万4767ドルと、24時間でほぼ横ばい(約0.2%安)で推移しています。

週末はWTI原油が6%近く急伸し、直前の金曜には米株が続落するなど、リスク資産に逆風が吹く場面が重なりました。それでもBTCは6万4300〜6万4900ドルの狭いレンジにとどまり、恐怖・貪欲指数はむしろ25「Extreme Fear」から28「Fear」へ改善しています。

地政学ショックのなかで株式との連動が薄れ、相対的な底堅さが意識される週明けとなりました。

値動きの振り返り

BTC/USDT 30分足チャート。

直近24時間のレンジは6万4280〜6万4967ドルと、値幅はわずか687ドル(約1.1%)にとどまりました。19日午前11時すぎに週末高値6万4967ドルを付けたあと、米国が日曜午後を迎えた20日午前3時すぎに安値6万4280ドルまで軟化しています。

ただ下値は限定的で、その後は6万4700ドル台へ戻しました。週末の出来高はBTC現物で8344枚と平日の半分以下にとどまり、方向感の乏しい薄商いの膠着が続いています。上値は6万5000ドルの節目、下値は6万4300ドル近辺がそれぞれ意識されました。

相場を動かした背景

中東緊迫と原油急騰、それでも動かないBTC

週末最大の材料は、中東情勢の緊迫化とそれに伴う原油急騰です。ロイターやウォール・ストリート・ジャーナルの報道によれば、米軍がイランの軍事目標への攻撃を7夜連続で続け、イランが報復としてクウェートのミナ・アル・アハマディ石油施設を攻撃したと伝えられました。タンカーへのドローン攻撃でカスピ海経由の積み出しが停止したとも報じられ、ペルシャ湾の供給不安が一気に高まりました。

これを受けてWTI原油は金曜終値の79ドルから84ドルへ5.9%、ブレント原油も84.73ドルから90.95ドルへ7.3%急伸しています。

注目すべきは、これだけの供給ショックが走ってもBTCがほとんど動かなかった点です。前営業日の金曜には米株が下落し(S&P500 -1.01%、ナスダック -1.40%)、日経平均は4.03%安の6万4141円まで売られ、VIX(恐怖指数)は18.77へ12.19%上昇していました。にもかかわらず、BTCは週末を通じて6万4000ドル台後半を維持しています。

X上では原油・イラン情勢とBTCを直接結びつける議論は支配的ではなく、地政学リスクを即座に織り込む動きは限定的だったとみられます。株とBTCの短期的な連動が薄れる動き(デカップリング)が、今回の膠着の背景にあると考えられます。

テクニカル分析

日足チャート分析

日足はMA20(6万3189ドル)とMA50(6万3417ドル)が6万3200〜6万3400ドルで接近し、現値はその上に位置しています。両線が支持の集約帯を形成しつつあります。

MACDはヒストグラムが+327.5とプラス圏を保ち、短期の勢いはやや上向きです。上値はボリンジャーバンド上限の6万6355ドル、下値はMA50・MA20が重なる6万3189〜6万3417ドルが目安となります。

MA100(7万331ドル)とMA200(7万3089ドル)は依然として上方に控えており、戻り売りの水準として意識されやすい状況です。

4時間足チャート分析

4時間足は現値がMA20(6万4132ドル)、MA50(6万4008ドル)、MA100(6万3573ドル)、MA200(6万2728ドル)のすべてを上回り、短期・中期線とも上向きの強気配列となっています。MACDヒストグラムも+46.6とプラスを拡大させました。

押し目を切り上げる動きで、当面は6万3081ドル(バンド下限)を下値支持、6万5183ドル(バンド上限)を上値抵抗とみています。ここを起点に、上下どちらへ放れるかが目先の焦点です。

1時間足チャート分析

1時間足でも現値はMA20(6万4582ドル)以下すべての主要線の上にあり、一目均衡表では6万3639〜6万4332ドルの雲を上抜けています。MACDヒストグラムは-14.0とわずかにマイナスですが、ゼロ近辺での小康状態にあります。

短期トレーダーが当日見るべきラインは、上が基準線の6万4624ドルとバンド上限の6万4810ドル、下が雲上限の6万4332ドルとMA200の6万3993ドルです。この範囲を明確に放れた方向へ、短期の勢いが傾きやすいとみられます。

デリバティブ動向

OI・清算動向

先物の未決済建玉(OI)は全取引所合計で1117.3億ドルと24時間で1.34%増にとどまり、週末を通じて目立った積み増しも手仕舞いもありませんでした。

過去24時間の清算総額は8588万ドルと小規模で、内訳はロング3857万ドル、ショート4731万ドルとショートの清算が上回りました。直近4時間ではショート清算が7割近くを占め、小幅な戻りに売り方が踏まれています。最大の単一清算はBinanceのETH無期限で111万ドルと、週末らしく小型でした。

資金調達率はBinance 0.0056%、OKX 0.0010%と、いずれもプラスながら中立の目安である0.01%を下回っており、レバレッジの過熱感は乏しい状況です。

注目清算ライン

清算が積み上がる価格帯としては、上方向に6万5900ドル前後のショート清算クラスター、下方向に6万3800ドル前後のロング清算クラスターが確認されています(実額は未取得)。

現値からはどちらも1000ドル強の距離にあり、6万5000ドルを上抜ければ上のショート勢の踏み上げ、6万4000ドルを割り込めば下のロング勢の投げが、それぞれ値動きを増幅させやすい位置関係です。プット/コールのOI比率はDeribit全体で0.458とコール優勢で、下方向への過度な警戒は今のところ限定的といえます。

ETF・需給動向

米現物BTC ETFは、前述のとおり7月14日から17日まで4営業日連続で純流入を記録しました。日次では7月14日1億8110万ドル、15日1億770万ドル、16日7910万ドル、17日1億3230万ドルと、いずれもBlackRockのIBITが牽引しています。4営業日合計は5億20万ドルで、平均日次流入額の1.5倍を上回る水準です。

企業の保有動向では、MicroStrategyが84万3775 BTCを保有し、6月末から7月初にかけて3588 BTCを売却したと報じられましたが、配当対応が目的で弱気の売りではないと説明されています。

株式が売られる局面でもETF経由の実需が継続した点は、下値の堅さと整合的です。

本日のデイトレ注目材料

本日20日は市場を動かす主要な米経済指標の発表がなく、今週はFOMC(7月28〜29日)前のブラックアウト期間にあたるため、FRB高官の発言も基本的にありません。週内では23日(木)午後9時30分に新規失業保険申請件数、24日(金)午後5時にDeribitのオプション満期(BTC想定元本約9.8億ドルと中規模)が控える程度で、材料はやや乏しい一週間です。

当面は中東情勢の推移と原油価格、そして株式市場が落ち着きを取り戻すかどうかが、リスク選好の方向を左右しそうです。

上抜けのシナリオでは、6万4967〜6万5000ドルを終値で上抜ければ、6万5900ドル前後のショート清算クラスターを試す展開が視野に入ります。その上は、4時間足・日足のバンド上限が重なる6万6355ドルが目安です。日足・4時間足が強気配列にあるため、株安の一服と原油の落ち着きが伴えば、上値追いの余地は残るとみられます。

下抜けのシナリオでは、6万4280ドルの週末安値を割り、1時間足MA200の6万3993ドルを終値で下回ると、日足の支持集約帯である6万3189〜6万3417ドルへの調整が意識されます。さらにこれを割れば、200週線6万3097ドルの攻防となります。中東情勢の一段の悪化や株安の再燃が、下抜けの引き金になり得ます。

まとめ

週末のBTCは、中東緊迫と原油急騰、そして週末前の株安という逆風のなかでも6万4000ドル台後半を維持し、株式との連動が薄れる形で相対的な底堅さを示しました。ETFの4営業日連続流入が下値を支えた一方、来週のFOMCを前にした様子見で上値も重く、方向感を欠く膠着が続いています。

短期では、日足・4時間足の強気配列を保ったまま6万5000ドルを上抜けられるか、それとも6万4000ドル割れから日足の支持集約帯を試すかが分岐点です。地政学と株の綱引きが続くなか、BTCがどちらの重力に引かれるかは、原油と米株の落ち着きどころ次第となりそうです。

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