米通貨監督庁(OCC)は6月18日、モルガン・スタンレー傘下のMorgan Stanley Digital Trust, National Associationに対し、全米信託銀行の設立を予備的に条件付きで認可しました。対象となる新会社は、Morgan Stanley Wealth Managementの顧客向けに、暗号資産(仮想通貨)のカストディや売買・スワップ・送金、受託者としてのステーキングなどを手がける計画です。
最終認可はまだ出ておらず、最低5000万ドルのTier 1資本など複数の条件を満たす必要があります。今回の判断で、大手証券グループがMorgan Stanley Wealth Managementの顧客向けのデジタル資産サービスを銀行免許の枠内で広げる道筋が具体化しました。
申請は2月18日に提出されていました。申請主体はMorgan Stanley Capital Management, LLCがスポンサーとなるMorgan Stanley Digital Trust, National Associationで、本拠地はニューヨーク州パーチェスです。新会社はモルガン・スタンレーの完全子会社として組成される予定です。
富裕層向けデジタル資産サービスの業務範囲と認可条件
計画されている業務は、デジタル資産の保管にとどまりません。顧客による購入・売却・スワップ・送金の取り扱いに加え、受託者としてのステーキング、関連会社が行うデジタル資産レンディングを支える担保管理も含まれます。単なる保管インフラではなく、資産管理サービスの一部としてデジタル資産取引を組み込む設計です。
顧客への直接的な意味は、Morgan Stanley Wealth Managementの口座基盤の中で、保管から資産活用までを一体で扱える体制が近づいた点にあります。特にステーキングや担保管理は、価格変動のある資産を預かるだけではなく、運用や融資関連サービスと結び付ける業務です。Morgan Stanley Wealth Managementの部門でこうした機能を備えることで、暗号資産を既存の資産管理業務に組み込む動きが一段進んだ形になります。
一方で、OCCは厳格な安全性条件を付しています。最低Tier 1資本は5000万ドルで、そのうち少なくとも50%または2500万ドルのいずれか大きい方を適格流動資産で保有しなければなりません。加えて、180日分の運営費に相当する適格流動資産の保有も必要です。これらの条件は初回3年間に適用されます。
業務範囲にも明確な線引きがあります。運営は信託会社業務とそれに関連する活動に限定され、米銀行持株会社法上の「銀行」の定義を満たさない形を維持する必要があります。信託・カストディ機能に軸足を置いた組織として位置付ける扱いです。
参考元:Occ
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