金融庁は、SBIホールディングス傘下の新生信託銀行が手がける円建てステーブルコイン「JPYSC」の発行を承認しました。信託の仕組みを使って発行する信託型のステーブルコインが国内で認められるのは初めてで、SBIグループは2026年6月にも発行を始めます。発行から流通、保有後の運用までをグループ内で一括して提供する体制が整い、法人や機関投資家による大口の決済が現実味を帯びてきました。
送金上限のない「3号電子決済手段」が法人決済をどう変えるか
JPYSCは、改正資金決済法が定める3号電子決済手段に分類されるステーブルコインです。発行を担うのはSBI新生銀行傘下の新生信託銀行で、暗号資産(仮想通貨)交換業を営むSBI VCトレードが流通を担当します。技術面はシンガポールのスターテイルグループが支え、SBIグループは同社に約20%を出資して渡辺創太最高経営責任者(CEO)を社外取締役に迎えるなど、資本と人材の両面で関係を深めています。裏付け資産は信託の枠組みで管理されます。
先行して発行されている円建てステーブルコイン「JPYC」が資金移動業者による1号電子決済手段で、1回あたり100万円の送金上限がかかるのに対し、信託型のJPYSCにこの上限はありません。企業間の決済や資金管理、海外との送金、機関投資家による大口取引まで、まとまった金額をそのまま動かせる点が大きな違いです。
価格を安定させるため、発行体は預金や国債などの安全資産を裏付けとして保有し、利用者の資産と分けて管理します。信託銀行が資産を保全する構造をとることで、企業が決済インフラとして使う際の安全性を高めています。
SBIグループは、発行体の新生信託銀行と流通を担うSBI VCトレードをグループ内に抱え、一連の機能を一括して提供できる点にあります。保有するステーブルコインを貸し出して利回りを得るレンディングサービスも計画しており、決済にとどまらない使い道を用意します。
参考元:nikkei
画像:shutterstock
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