ビットコイン(BTC)は6月19日8時時点で6万2795ドルと、前日比-2.33%で取引されています。
直近24時間は売りに押される展開が続き、19日未明には6万2272ドルまで下落しました。日足・4時間足・1時間足のいずれも主要な移動平均線を下回るブレイクダウンとなる一方、下落局面で小口の逆張りロングが膨らんでおり、市場が最も警戒すべきは、この積み上がったロングの巻き戻しリスクです。
値動きの振り返り

BTC/USDT 30分足チャート
直近24時間のBTCは、18日朝に6万4500ドル付近で始まり、日中は6万4000〜6万4800ドルでもみ合いました。18日10時(日本時間、以下同じ)につけた6万4806ドルが24時間高値となっています。
しかし、18日夜から売りが強まると下値を切り下げ、19日0時にかけて6万2000ドル台へ急落しました。19日2時には24時間安値の6万2272ドルをつけています。
その後は6万2600〜6万2970ドルでいったん下げ渋り、8時時点では6万2795ドルで推移しています。上値では6万4500〜6万4800ドル付近が戻りを抑え、下値では6万2300ドル付近がひとまずの支えとして意識された格好です。
相場を動かした背景
全時間足での移動平均線割れと小口ロングの膨らみ
今回の下落で最も注目すべきは、チャートとポジションの両面で地合いが悪化したことです。
価格は日足・4時間足・1時間足のすべてで主要な移動平均線を下回り、戻りの鈍い状態が続いています。背景にはタカ派的な金融政策見通しを受けたリスクオフがありますが、足元の値動きはその流れを引き継ぎ、テクニカル上の支持線を次々と割り込む展開となりました。
一方で、デリバティブ市場では未決済建玉が減少し、ロングの処分が進んでいます。にもかかわらず、小口投資家のロング/ショート比率は1.93へと急上昇しており、下落局面で逆張りの買いを膨らませている様子がうかがえます。下値を支えにいく買いが入る一方、こうしたロングが積み上がったまま節目を割り込むと、ロング清算を巻き込んで下げが加速しやすい点には注意が必要です。
米イラン停戦合意の署名(本日19日)
数少ない支援材料としては、米イラン停戦合意の署名が挙げられます。
署名は本日19日(金曜)にジュネーブで予定されています。約4カ月続いた紛争の収束につながる動きであり、署名が滞りなく進めばリスクセンチメントの改善材料となり、下げ止まりの手掛かりになり得ます。ただし足元はリスクオフが優勢で、現時点での材料視は限定的とみられます。
ビットコイン(BTC)テクニカル分析
日足チャート

日足では、現在値6万2784ドルがMA20(6万5103ドル)、MA50(7万2994ドル)、MA100(7万2538ドル)、MA200(7万7162ドル)のすべてを下回っています。前日まで試していたMA20の回復は不発に終わり、今回の急落で下値を切り下げた形です。
中長期目線での上値メドは、まずMA20が位置する6万5000ドル前後、下値メドは6万2272ドル、さらに6万ドルの節目が意識されます。
戻りを試すにはまず6万5000ドル前後のMA20を回復する必要があり、当面は戻り売りが優勢になりやすい地合いです。
4時間足チャート

4時間足でも、現在値はMA20(6万5040ドル)、MA50(6万4411ドル)、MA100(6万3778ドル)、MA200(6万9734ドル)をすべて下回っています。前日まで支えとなっていた短中期の移動平均線を一気に割り込み、地合いが悪化しました。
戻り売りの目安としては、直近まで支えだったMA100の6万3778ドル前後やMA50の6万4411ドル付近が意識されます。下値メドは6万2272ドル、その先は6万2000ドルです。
1時間足チャート

1時間足も、現在値がMA20(6万3518ドル)、MA50(6万4520ドル)、MA100(6万5296ドル)、MA200(6万4405ドル)のすべてを下回り、戻りの鈍い展開です。
短期トレーダーが当日見るべきラインは、まず6万3500ドル前後のMA20を回復できるかどうかです。これを回復できれば6万4400〜6万4500ドルの戻りを試す一方、6万2272ドルの24時間安値を割り込むと6万2000ドルの心理的節目が次の支えとして意識されます。
サポートは6万2272ドルと6万2000ドル、レジスタンスは6万3518ドルのMA20と6万4400〜6万4500ドル付近となります。
デリバティブ動向
OI・清算動向
未決済建玉(OI)は減少しました。Binance先物では約24時間前の63.8億ドル(約9万9317BTC)から61.9億ドル(約9万8492BTC)へと縮小しており、急落に伴ってロングが処分され、レバレッジの巻き戻しが進んだことを示しています。
注意したいのは、小口投資家のロング/ショート比率が前日の1.43から1.93へ急上昇している点です。資金調達率は+0.007%とほぼ中立ですが、下落局面で逆張りのロングが膨らんでおり、これらのポジションが積み上がったまま下値を割ると、追い証や清算で下げが速まりやすくなります。短期トレードでは、こうしたロード偏重のなかでの節目割れに警戒が必要です。
注目清算ライン

注目すべき清算ラインは、下方向が6万2272ドル割れから6万2000ドルにかけて、上方向が6万3800〜6万4500ドルにかけてです。ロング/ショート比率はグローバル口座ベースで1.93、上位トレーダーの建玉ベースで1.2195となっています。
下値の6万2000ドルを割り込むと、膨らんだロングの清算が誘発され、下げが加速しやすい水準です。逆に戻りを試す場合も、6万3800〜6万4500ドルでは戻り売りやショートの再構築に押されやすく、上下どちらに振れても急変動になりやすい点を意識しておきたいところです。
ETF動向
米現物BTC ETFのフローは流出に転じています。直近の単日では純流出約8216万ドルとなり、FidelityのFBTCが約1402万ドルの純流入で同日最大だったものの、複合全体では資金が流出しました。
直前まで流入基調にあったフローが再び流出へ振れたことは、下値の重さを補強する要因です。機関マネーの動向が再び買い戻しに転じるかどうかが、下げ止まりを見極めるうえでの手掛かりになります。
本日のデイトレ材料
本日(6月19日・金曜)は、米国の大型経済指標の確定した予定は確認できていません。市場の中心は、重い地合いが続くなかでの下げ渋りを探る動きになりそうです。注目イベントとしては、米イラン停戦合意の署名が本日ジュネーブで予定されており、署名の進展が伝われば、数少ないリスクオン材料としてセンチメントを動かす可能性があります。あわせて週末を控え、土日は流動性が低下しやすく、薄商いのなかで値が振れやすい点も意識しておきたいところです。
短期の市場テーマは、リスクオフがこのまま続くのか、それとも下げ渋りから自律反発に向かうのか、という点です。とくに小口の逆張りロングが膨らんでいるだけに、6万2000ドルを維持できるかが下値の分岐点になります。上方向の焦点は6万3500〜6万3800ドルで、1時間足のMA20と4時間足のMA100が重なる戻り売りの目安です。ここを回復できれば6万4400〜6万4800ドルが視野に入ります。下方向の焦点は6万2272ドルで、これを割り込むと6万2000ドル、さらに6万ドルの節目が意識されます。
短期トレーダーがまず見るべきは、6万3500ドルの回復可否と、6万2272ドルから6万2000ドルの攻防です。
まとめ
本日のBTCは、6万2000ドル台まで続落し、日足・4時間足・1時間足のすべてで主要な移動平均線を下回るブレイクダウンとなりました。建玉が減るなかで小口の逆張りロングが膨らんでおり、6万2000ドルを維持できるかどうかが、下げ止まりと一段安を分ける重要な節目です。
短期的には、上値6万3500ドル・下値6万2272ドルの攻防に加え、本日の米イラン停戦署名がセンチメント改善につながるかが焦点となります。戻りの鈍い地合いが続くなか、節目割れによる急変動には警戒しておきたい一日です。
