テザー社は5月25日、ジョージア政府の支援を受け、ジョージア・ラリに連動するステーブルコイン「GEL₮(GELT)」を発行する計画を明らかにしました。GEL₮はラリのデジタル表現として設計し、低コスト取引や即時決済、プログラマブル決済に対応させる方針です。
米ドル連動のUSD₮で最大手の地位を築いた発行体が、政府と組んで現地通貨建ての「公式ステーブルコイン」を打ち出したことで、暗号資産(仮想通貨)市場ではステーブルコインの役割が決済インフラへ広がる動きとして受け止められています。
ジョージア政府側も、この取り組みを国家レベルのデジタル金融基盤づくりに位置付けています。首相のイラクリ・コバヒゼ氏は、テザーのような先進的なパートナーとともに、より接続性が高く、透明で、デジタル化された金融の土台を築くと表明しました。
ラリをデジタル化し、低コスト取引と即時決済を狙う
今回公表されたGEL₮は、ジョージア・ラリをブロックチェーン上で扱えるようにするための仕組みです。送金や決済の場面で、従来の銀行間処理より短い時間で資金移動を完了させやすくし、取引コストの圧縮も狙います。
テザーは、GEL₮によって即時決済とプログラマブル決済を可能にし、クロスボーダー商取引、フィンテック、デジタル決済の利用を支えると説明しました。プログラマブル決済は、あらかじめ設定した条件に応じて支払いを自動執行できる仕組みを指します。単なる送金手段ではなく、商取引や業務フローに組み込みやすいデジタルマネーとして位置付けた格好です。
テザーのパオロ・アルドイノCEOは、ステーブルコインはもはや一部の利用者向けの金融商品ではなく、世界金融のインフラ層の一部になりつつあると述べました。そのうえで、ジョージアはデジタル資産とステーブルコインに向けた本格的な規制設計を早い段階で整えてきたと評価しています。
発行時期や償還の仕組み、裏付け資産の詳細、段階的な展開方法などは公表されていません。テザーは、構造やロールアウト、規制実施の詳細を後日明らかにするとしています。