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バリエーショナルが約80億円を調達、金・銀・銅・原油のRWAデリバティブを開始

2026年5月21日 13:45  Arai Yu

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DeFiデリバティブを手がけるVariationalは5月20日、5000万ドル(約80億円)のシリーズA資金調達を実施し、同日にRWA事業の第1段階を始めたと発表しました。調達はDragonfly Capitalが主導し、Bain Capital CryptoとCoinbase Venturesも参加しました。

あわせて、金・銀・銅・原油を対象にしたパーペチュアル先物の提供を始め、手数料は無料、証拠金は単一のクロスマージン口座で管理できる設計です。暗号資産(仮想通貨)市場で育ったDeFi基盤が、伝統金融の商品流動性を直接取り込む動きを具体化させました。

調達と同時に商品市場へ広げた意味

今回の調達額は5000万ドルで、2021年の103万ドルのシード調達を含む累計調達額は6180万ドル超となりました。資金調達の発表と同じ日にRWA Phase 1を始めた点が特徴です。資金を確保してから開発計画を示す段階ではなく、調達と同時に実際の取引市場を立ち上げたことで、RWA参入を構想ではなく稼働中の事業として示しました。

第1段階で扱うのは、金、銀、銅、原油の4商品です。いずれも現物そのものを売買するのではなく、価格変動を追うパーペチュアル先物としてオンチェーンで取引できます。暗号資産のデリバティブで一般的な仕組みを、コモディティ市場に広げた形です。

オーダーブックを使わずTradFi流動性を直接つなぐ仕組み

Variationalが打ち出したのは、一般的なオーダーブック型の立ち上げ方とは異なるモデルです。自前の板に参加者を集めて流動性を育てるのではなく、伝統金融市場の流動性を直接オンチェーンに集約する方式を採ります。新規市場が直面しやすい「最初に注文が集まらない」という問題を避けながら、より厚い流動性を持ち込む狙いがあります。

最高経営責任者のLucas Schumann氏は、オーダーブックには立ち上がり時の流動性不足という「コールドスタート問題」があると説明し、伝統金融との流動性ギャップは100倍規模にのぼると述べました。暗号資産ネイティブの参加者だけで市場を作るのではなく、既存の金融市場にある厚い売買需要を取り込むことが、RWA展開の中核になっています。

同社は今夏までに、100以上の伝統金融市場を追加する計画も示しました。今回始まった金属とエネルギーの4市場は、その入口にあたります。RWAの拡大が「何をトークン化するか」から「どれだけ実際に取引できるか」に移りつつあることを示す動きになっています。