暗号資産(仮想通貨)市場は5月17日から18日にかけて、3銘柄そろって弱含みの展開となりました。5月15日にパウエル前FRB議長が任期を満了し、トランプ大統領が指名したケビン・ワーシュ氏が新議長に就任したことで、市場は利下げ期待の後退と新体制下での政策不透明感を急速に織り込んでいます。
週末のビットコインは7万8000ドル前後で小動きが続いていましたが、週明け18日のアジア時間に流れが反転し、3銘柄ともに水準を切り下げました。米10年債利回りが4.54%と過去12カ月の高水準で推移するなか、リスク資産全般から資金を引き上げる動きが暗号資産にも波及しています。
ビットコイン、7万8000ドル前後で様子見|FOMC議事要旨と戦略的BTC準備の発表予告が上値を抑える
ビットコイン、7万8000ドル台から7万6800ドル台へ反落

BTC/USDT 1時間足チャート
ビットコインは5月17日の取引時間中、週末特有の薄商いの中で7万8000ドル前後の狭いレンジを維持していました。クラリティ法案の上院銀行委員会通過というポジティブ材料も支えとなり、目立った売りは確認されませんでした。
しかし18日朝方にかけて流れが反転し、ビットコインは7万6821ドル付近まで下落、24時間ベースでは1.47%安となっています。上値は8万ドル奪回が当面のリカバリーラインとなり、下値は7万5000ドル割れまでサポートが乏しい状況です。
イーサリアム、2200ドル割れで独歩安

ETH/USDT 4時間足チャート
イーサリアムは17日時点で2190ドル前後を保っていましたが、18日にかけて2200ドルの節目を明確に下抜けました。24時間で2.81%安と、3銘柄の中でもっとも下落率が大きい動きとなっています。
直近の現在値は2116ドル付近で、過熱していた先物ポジションの巻き戻しが価格に響いている格好です。回復には2200ドル台奪回と、その上の2400ドル回復が条件となります。
リップル、1.40ドル割れで弱含み

XRP/USDT 1時間足チャート
リップルは17日時点で1.41ドルを中心としたもみ合いが続き、1.45ドルの戻り高値を試す場面もありましたが、上値追いには至りませんでした。1.40ドル付近は数カ月にわたり重要な節目として意識されてきた水準です。
18日にかけてBTC・ETHに連れ安となり、リップルは1.39ドル付近まで下落、1.40ドルを明確に割り込みました。クラリティ法案進展という規制面の追い風があった中での下落だけに、マクロ要因の重さが意識される展開です。
Fed利下げ期待の後退とワーシュ新議長下の政策不透明感
期間中盤までの市場は、年内2回の利下げを織り込んだうえで、ワーシュ新議長がどのような政策運営を見せるかを見極めようとする姿勢でした。しかし就任直後の5月13日に発表された4月PPIが前年比6%とコンセンサスを大きく上振れし、市場は早期利下げ観測を一気に後退させました。
これを受けて米10年債利回りは4.54%まで上昇し、CMEフェドウォッチが示す12月利上げ確率は44%まで急騰。週明けのアジア時間に米株先物が軟調に推移したことも投資家心理を冷やし、リスク資産全般から資金を引き上げる動きが暗号資産にも波及しました。
次の焦点は6月FOMCと5月CPI
直近の市場参加者の焦点は、5月後半に予定されている5月CPIと、6月17日のワーシュ新議長下での初FOMCに移ります。CPIがPPI同様に上振れすれば、利下げ期待のさらなる後退とリスク資産売りの再燃が意識される展開となりそうです。
ビットコインは8万ドル奪回が当面のリカバリーライン、イーサリアムは2200ドル台回復、リップルは1.40ドル維持と1.45ドル奪回が焦点となります。マクロ環境の改善が見えるまでは、戻りを売られやすい地合いが続く可能性が高い局面と言えるでしょう。
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