予測市場プラットフォームのKalshiは5月7日、シリーズFラウンドで10億ドルを調達し、調達後評価額が220億ドルに達したと明らかにしました。日本円換算では調達額が約1570億円、評価額は約3.45兆円です。規制下で運営される予測市場にこれだけの資金が集まったことで、同分野が実験的なサービスから大規模な金融市場へ移りつつある構図が鮮明になりました。
リード投資家はCoatue Managementで、Morgan Stanley、Sequoia Capital、a16zなどが参加しました。ベンチャー投資家だけでなく、伝統的な金融機関の名前が並んだ点は象徴的です。予測市場が一部の個人投機家の場ではなく、機関投資家が資本を投じる金融インフラとして扱われ始めたことを示しています。
Kalshiは米国の規制枠組みの中で運営される予測市場として知られます。利用者は選挙結果や経済指標、政策判断、スポーツなど幅広い事象について売買し、その価格が将来の発生確率を映す仕組みです。株式や債券のように企業価値や利回りを取引するのではなく、「何が起きるか」を価格に変える市場です。
取引高1780億ドルが示す予測市場の急拡大
Kalshiの過去6カ月時点の年間取引高は1780億ドルに達しました。前年から3倍超に拡大した計算です。市場シェアも米国の予測市場で90%超とされ、同社が事実上の中心プレーヤーになっていることがうかがえます。
この伸びを支えたのは、選挙や金利、インフレ、景気指標といった現実の出来事を対象にした取引の増加です。価格は参加者の見通しを即座に織り込むため、世論調査やアナリスト予想とは異なる角度から市場心理を映します。投資家にとっては、単なる賭けの場ではなく、イベントリスクを売買できる市場としての意味合いが強まっています。
Techmemeが伝えたWSJベースの情報では、Kalshiの収益ランレートは15億ドル規模に達しているとされます。未上場企業の高い評価額は将来期待だけで付きやすい一方、今回のケースでは取引高と収益規模がその裏付けとして意識されたとみられます。