米証券取引委員会(SEC)の取引・市場部門は4月14日未明、暗号資産(仮想通貨)関連の取引準備に使われる一部のDeFiユーザーインターフェースについて、ブローカー・ディーラー登録を求めないとするスタッフステートメントを公表しました。
対象は、自己保管型ウォレットからの取引を支援するフロントエンドやウォレットアプリ、ブラウザー拡張機能などです。ユーザー資金を預からず、投資助言や注文執行にも関与しない「中立的な画面」に限って登録義務を外す考えを示しました。
このステートメントは、SECのデジタル資産規制イニシアチブと関連づけられるものとみられます。DeFiサービスの開発現場では、どこまでが単なるソフトウェア提供で、どこからが証券規制上の仲介業務に当たるのかが長く曖昧でした。今回の整理は、その境界線を具体的な条件で示した点にあります。
対象となるのは、暗号資産証券の取引を「準備する」ためのUI提供者です。SECは、自己保管型ウォレットを使う利用者に対し、取引候補の表示や入力補助などを行うサービスを想定しています。Uniswapの画面、MetaMaskのスワップ機能、複数の分散型取引所を横断して価格を比較するDEXアグリゲーターのようなサービスが、条件次第でこの整理に当てはまる可能性があります。
SEC、UI提供者の登録免除6条件を提示
登録免除の条件は6つあります。ユーザー資金や資産を保管しないこと、投資アドバイスや勧誘を行わないこと、注文のルーティングや執行を行わないこと、固定で中立的な手数料体系を採ること、個別取引に裁量を持たないこと、利益相反や手数料、ソフトウェアの動作を適切に開示することです。
要するに、取引の「入口」は提供しても、資金に触れず、売買判断にも介入せず、どの取引先に流すかも決めない設計であれば、SECスタッフはブローカー・ディーラーとはみなさない考えを示した形です。証券会社のように顧客注文を取り次ぐ存在ではなく、地図や画面を提供するソフトウェアに近い立場であれば、登録義務の外側に置くという整理です。
この線引きは、トークン化証券を扱う場面でも意識されています。Ledger Insightsは、対象が一般的なDeFiフロントエンドにとどまらず、トークン化された証券性資産の取引準備に使われるUIにも及びうると伝えています。暗号資産市場と証券市場の境目が近づくなかで、UI提供者の法的位置付けを先に定めた格好です。
今回のステートメントには5年の有効期間が設けられました。発行日から5年間、またはSECスタッフが更新・撤回するまで有効とされています。恒久ルールではないものの、少なくとも短期的には、開発者やウォレット事業者が設計判断を行うための基準が示されたことになります。
参考元:theblock
画像:shutterstock
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