JPYC株式会社は4月2日、日本円ステーブルコイン「JPYC」がエルサルバドルで決済に利用されたと明らかにしました。同日には、現地でTシャツを購入した実例も共有され、日本発の円建てデジタルマネーが海外の実店舗決済に使われた事例として関心を集めています。
同社公式Xアカウントは「エルサルバドルでJPYCが決済に利用されています」と投稿し、日本国外でも活用できる背景として、プログラマブルで柔軟な決済を組み込みやすい点を挙げました。JPYC代表取締役の岡部典孝氏も同日、「エルサルバドルでJPYC決済でTシャツが買えたそうです」と投稿し、購入動画を引用して実例を示しました。
動画はGianluca Minoprio氏がX上で公開したもので、エルサルバドルの『CurrencyCompetition.com』でTシャツを購入する様子が確認できます。現時点で公表されているのはこの個別事例が中心で、現地店舗名や提携事業者、決済額、利用件数などの詳細は明らかになっていません。
JPYC、円建てステーブルコインの越境送金意義を提示
今回のニュースが関心を集めるのは、単に海外で使えたという話にとどまらないためです。円建ての価値を保つステーブルコインが国境をまたいで流通すれば、従来の国際送金で避けにくかった仲介銀行手数料や着金までの時間を見直す余地が生まれます。
JPYC側は、伝統的な国際送金では複数の金融機関を経由することでコストや遅延が発生しやすいとしている一方、ブロックチェーン上で発行・移転されるステーブルコインは、ウォレット間で直接やり取りできるため、送金から受け取りまでの流れを短くしやすい構造です。
実測の手数料率や処理時間は今回示されていないものの、仕組みとしては中継地点の多い送金網を、より単純なデジタル決済に置き換える発想に近いです。
JPYC、円建てステーブルコインが海外で決済利用へ
JPYCはEthereum、Avalanche、Polygonで展開されている日本円ステーブルコインです。複数のブロックチェーンに対応していることで、利用するサービスやウォレットに応じた接続先を選びやすく、海外の決済システムに組み込む余地が広がります。
JPYC公式は、こうした設計を「プログラマブルで柔軟な決済を組み込みやすい」強みと表現しました。これは、単に送金できるだけでなく、アプリやEC、店舗側のシステムと連携しやすいことを意味します。法定通貨そのものを海外で直接扱う場合に比べ、ブロックチェーン上のトークンとして扱えることで、決済導線をデジタルサービスに載せやすい点が特徴です。
今回確認されたのはTシャツ購入という小規模な実例ですが、円建てステーブルコインが日本国外で実際の支払いに使われた事実は、国内発行のデジタル通貨が送金手段から決済手段へと用途を広げ始めたことを示しています。
画像:shutterstock
