カルダノ創業者のチャールズ・ホスキンソン氏が主導するプライバシー重視のブロックチェーン「Midnight」が3月30日、メインネットを正式にローンチしました。
ジェネシスブロックの展開とともに、Google CloudやMoneyGramを含む企業群が初期のフェデレーテッドノードオペレーターとして参加し、プライバシー保護と規制対応を両立させるネットワークが実運用段階に入りました。
Midnight Foundationの発表によると、同ネットワークはホスキンソン氏が「第4世代ブロックチェーン」と位置づける新基盤です。
同氏は公式ブログで、「サトシは良いお金を与え、イーサリアムはプログラマビリティを与え、カルダノは相互運用性・スケーラビリティ・ガバナンスをもたらした。
Midnightはアイデンティティとプライバシーを取り戻す」と説明しました。
選択的開示でプライバシーと規制対応を両立
Midnightの特徴は、すべてを隠す設計でも、すべてを公開する設計でもない点にあります。
公式ブログによると、同プロジェクトはゼロ知識証明を活用し、取引の正当性を担保しながら詳細情報は秘匿できる仕組みを採用しています。さらに、秘匿資産(shielded)と公開資産(unshielded)を併用し、必要に応じて情報を限定的に開示する「選択的開示」を中核機能としています。
この設計により、利用者は通常時には取引内容や保有情報のプライバシーを保ちつつ、監査や規制対応など必要な場面では必要な情報だけを開示できます。
暗号資産(仮想通貨)は透明性の高さが強みである一方、企業利用では取引先や残高情報が過度に可視化される点が障壁とされてきました。Midnightはこの課題に対し、透明性と秘匿性のバランスを取る構造を提示しています。
トークン設計も二層構造です。ネットワークでは、ガバナンスとユーティリティを担う「NIGHT」と、トランザクション資源として利用される再生型リソース「DUST」を組み合わせるデュアルモデルを採用しました。
手数料と価値蓄積を分離することで、ネットワーク利用と投機的需要を切り分けやすくする狙いがあるとみられます。
初期はフェデレーテッド運用、段階的に分散化へ
ローンチ時点では、完全な分散型ではなく「Kūkolu phase」と呼ばれるフェデレーテッド方式で稼働します。
信頼されたノード運営者がネットワークの安定性を支える段階から始め、その後段階的に分散化へ移行する計画です。立ち上げ初期の不安定さを抑えつつ、実運用に耐える信頼性を確保する設計となっています。
Google CloudやMoneyGramなど9社が参加
初期ノードオペレーターとして公表されたのは、Google Cloud、MoneyGram、Worldpay、Bullish、eToro、Pairpoint by Vodafone、AlphaTON Capital、Blockdaemon、Shielded Technologiesの9社です。
Google Cloudの参加は、企業向けインフラとしての信頼性確保という点で重要です。ノード運営には継続的な監視や障害対応が求められるため、クラウド大手の関与は安定運用への期待を高めます。
一方、MoneyGramの参加はユースケースの具体性を示しています。同社は200カ国以上に展開する送金ネットワークを持ち、プライバシーを保ちながらオンチェーンで金融サービスを扱う可能性が意識されます。
Worldpayはステーブルコイン決済の概念実証、Bullishはゼロ知識証明を活用したProof of Reservesの検討を進める方針です。
今回の参加企業には、暗号資産ネイティブ企業に加え、決済・金融・通信・クラウドといった既存産業のプレーヤーが並びました。Midnightが狙う領域が、投機市場ではなく実務用途にあることがうかがえます。
参考元:Midnight公式
画像:shutterstock