​暗号資産(仮想通貨)ビットコインは日本時間1月4日に誕生から10年となった。論文自体は2008年に発表されていたのの、ビットコインが形となったのは「ジェネシスブロック」というビットコインブロックチェーンの最初のブロックが生成されてからだ。そのジェネシスブロックが誕生したのが1月4日ということである。

今回はビットコインの10年の歴史を振り返り、これからビットコインについて考える。

​仮想通貨ビットコインの歴史を振り返る

​今までのビットコインの歴史を当時の価格と振り返っていく。

​2008年

​10月:ナカモトサトシによってビットコインの論文が発表される

2009年

​1月4日:ビットコインブロックチェーン最初のブロックである「ジェネシスブロック」が生成される

1月:ナカモトサトシからソフトウェア開発者へ、ビットコインの送信が世界で初めて行われる

10月:New Liberty Standard​によってビットコインとUSD(法定通貨)の交換レートが初めて公開される(0.07円)

10月:ビットコインと法定通貨(USD)間の交換が初めて行われる。New Liberty Standard​が5,050BTCを5.02ドルで購入(0.09円)


2009年はビットコインが発展するための基盤の年となった。

2010年

​5月:初のビットコイン決済が実現。10,000BTCでピザ2枚が購入される(0.2円)

7月:マウントゴックスが日本でビットコイン取引サービスを開始する(7円)

8月:ビットコインのバグにより1,840億BTCが偽造される。ビットコイン史上最悪のセキュリティ事件(6円)


2010年は世の中へ普及し始めた第一歩の年だ。

2011年

​6月:最初のビットコインバブルで価格が高騰する(1,489円)

6月:マウントゴックスがハッキング被害を受ける(1,401円)

2012年

​5月:FBIのビットコインに関するレポートが流出する(402円)

11月:ビットコインが最初の半減期を迎える。一回の採掘で50BTCから25BTCへ(1,013円)

2013年

(2013年のビットコインの価格推移)​​

​3月:アメリカカルフォルニア州に世界初のビットコインATMが設置される(5,718円)

12月:NHKで初めてビットコインが取り上げられる(123,100円)

12月5日:中国政府が金融機関によるビットコイン取引を禁止する

12月5日:上記と同日にビットコインが史上最高価格を付ける(111,000円)


2013年はビットコインが世間に広がっていき、価格とともに知名度も上げる年となった。

​2014年

​ (2014年のビットコインの価格推移)​​

​2月:マウントゴックスがサービスを閉鎖する(18,280円)

5月:日本三大暗号資産(仮想通貨)取引所のbitFlyerがサービスを開始(59,300円)

9月:CoinCheckがサービスを開始(42,710円)

12月:マイクロソフト社がアメリカ限定でビットコイン決済を導入する(41,180円)


2014年は多くの暗号資産(仮想通貨)取引所が誕生し、暗号資産(仮想通貨)のインフラ整備の年もといえる。

​2015年

​ (2015年のビットコインの価格推移)​​

​6月:ニューヨーク州でビットコイン規制「BitLicense」が正式発表される(28,000円)

8月:マウントゴックスの経営者が逮捕される34,600円)

8月:ビットコイン史上初となるフォーク版が誕生する(33,277円)

10月:欧州司法裁判所がビットコインはVATの課税対象外と判決する(32,900円)


2015年からは徐々に法整備が施されていった年だ。

​2016年​

​ (2016年のビットコインの価格推移)​

​7月:ビットコインが2回目の半減期を迎える(66,700円)

8月:世界最大級の取引所Bitfinexでハッキング事件が起こる(61,200円)

​2016年Bitfinexの事件により、多くの暗号資産(仮想通貨)取引所がセキュリティー対策を強化する年であった。


​2017年

​暗号資産(仮想通貨)元年といわれた2017年

(2017年のビットコインの価格推移)​​

​3月:2013年以来の史上最高価格を付ける(145,790円)

4月:日本で改正資金決済法等が施行される(121,600円)​

8月ビットコインのブロックチェーンが分裂し、ビットコインキャッシュが誕生(298,800円)

12月:ビットコインが一時史上最高額をつける(2,350,517円)

12月:CMEでビットコイン先物取引がスタート終値としては最高額となる(2,227,000円)


2017年はビットコインが投機対象として注目を浴び、結果的にバブルを迎えた。

​2018年

​暗号資産(仮想通貨)界にとって厳しい年となった2018年

​(2018年のビットコインの価格推移)​​(緑がビットコインの価格)

1月:CoinCheckでハッキング事件発生。580億円相当の暗号資産(仮想通貨)が流出(1,154,000円)

4月:マネックスがコインチェック買収を発表する。経営体制再建へ(711,000円)

9月:Zaifから約70億円分の暗号資産(仮想通貨)が流出する。金融庁による取引所取り​が強化される(710,000円)

​9月:CboeによってビットコインETFの審議の開始される(757,000円)​

11月:ビットコインキャッシュがハードフォークする(623,000円)​

11月:年内の安値を更新する。(535,000円)

12月:2018年の安値をマークすることとなる(354,350円)


2018年はバブル崩壊とともに、暗号資産(仮想通貨)のセキュリティーや法律などの悪い点が洗いざらいとなった。

ビットコインの課題とこれから​​

​過去を振り返ってみると「取引所のハッキング」「法律・規制」「技術面での変化」で大きな価格変動が起きている。

この2018年は取引所のハッキング事件が絶えなかった。ここに対する対策や法律がしっかりされないと、暗号資産(仮想通貨)の低迷は今後も続くであろう。ICOによる詐欺コインの撲滅も重要事項となってくるであろう。なににしろ暗号資産(仮想通貨)のセキュリティ・安全性を確保することが第一だ。


逆に税制などの法律改正などが行われれば、ビットコインの価格は大きく上げる可能性がある。そこで一つ重要になってくるのがビットコインETFである。2月にSECの最終審査期限となっているが、結果次第ではビットコインの価格急上昇になる可能性もある。


技術面の大幅向上によってビットコインの価格が上がる可能性もある。ビットコインが使われない理由としてスケーラビリティがあげられるが、segwitライトニングネットワーク技術である。このような技術が実装されることによって、ビットコインの実需が高まり世界での普及の可能性も高まる。またビットコインキャッシュのようなハードフォークも重要であれば、ビットコインキャッシュの問題もビットコインに降りかかってくる。

ビットコインと最新技術は切っても切り離せないようにないだろう。


2017年のような投機目的のバブルはもう来ない。今後ビットコインが価格を大きく上げるためには、ファンダメンタルの要素が大切となってくる。


2019年以降もビットコイン周辺のニュースには注目していかなければならない。