ビットコイン(BTC)は8月5日午前8時時点で6万4246ドルと、前日から1.14%上昇しました。8月4日は終日じり高で推移し、先週割り込んでいた200週移動平均線をおよそ1週間ぶりに回復しています。
反発を支えたのは、中東情勢の緊張後退と、週末に相場を圧迫していた悪材料の一巡です。地政学リスクへの警戒が和らぎ、ETFへの資金も戻ってきたことで、下値固めから戻りを試す局面へと移りつつあります。ただし、6万5000ドルにかけては大口の売りが観測され、上値はなお重い状況です。
値動きの振り返り

BTC/USDT 30分足チャート
8月4日のBTCは、アジア時間の午前から買いが入り、6万3300ドル台から水準を切り上げました。日中は6万3600〜6万4000ドルでもみ合ったのち、米国株式市場が開く前後の午後10時から11時にかけて出来高を伴って買われ、6万4000ドル台を回復しています。
その後も底堅く推移し、5日午前にかけて24時間高値の6万4526ドルまで上昇しました。現在は6万4200ドル台です。24時間安値は6万3322ドルで、下値は6万3300ドル前後、上値は6万4500ドル前後がそれぞれ意識されています。
相場を動かした背景
地政学リスクの後退と、週末の悪材料の一巡
最大の支えとなったのは、中東情勢の緊張後退です。カタールが米国とイランの交渉再開に向けた進展を報告したと伝えられ、トランプ大統領も週末に計画していた攻撃を取りやめました。ホルムズ海峡の再開や核問題での合意に向けて前進しているとされ、7月末に相場を揺らした地政学リスクが和らぎました。
これに加え、週末に暗号資産市場を圧迫していた個別の悪材料も一巡しました。ハードウェアウォレット「コールドカード」の不正利用や、大口保有企業ストラテジーによるBTC売却が落ち着き、トレーダーはこれらを織り込み済みとして買い戻したと報じられています。悪材料が後退したことで、下値不安が薄れ、200週線の回復につながりました。
上値の重さと、根強い下方警戒
一方で、反発の勢いには限界も見えます。6万4000〜6万5000ドルにかけては大口の売り注文が観測され、これが上値を抑える要因となっています。
投資家心理も慎重なままです。価格が上昇したにもかかわらず、恐怖・貪欲指数は「極度の恐怖」を示す25まで悪化しました。オプション市場でも6万ドルのプットに人気が集まるなど、下方への警戒は根強く、戻り売りが出やすい地合いが続いています。
ビットコイン(BTC)テクニカル分析
日足チャート分析

日足では、現在値が20日線(6万4387ドル)にほぼ並び、50日線(6万3321ドル)の上にあります。100日線(6万8523ドル)と200日線(7万851ドル)は大きく上方で、戻り売りの壁として意識されます。
8月4日は陽線を形成し、MACDのヒストグラムはマイナス幅を縮小して改善に向かっています。20日線を明確に上抜けられれば、次の戻りにつながりやすい形です。上値メドは6万6281ドル(ボリンジャーバンド上限)、下値メドは50日線の6万3321ドルです。
4時間足チャート分析

4時間足は、現在値が20・50・200の各移動平均線を上回り、短期トレンドが上向きへ転換しました。MACDのヒストグラムも強くプラス圏にあり、反発の勢いが確認できます。
ただし100線が6万4398ドル、バンド上限が6万4500ドルにあり、6万4400〜6万4500ドルが目先の壁です。ここを抜けられるかが分かれ目で、下値メドは20線の6万3432ドルです。
1時間足チャート分析

1時間足では、現在値が主要移動平均線をすべて上回り、一目均衡表の雲の上にも浮上しています。短期は買い優勢です。
ただしMACDのヒストグラムは小幅なプラスにとどまり、上昇の勢いはやや一服しています。当日の下値サポートは20時間線の6万3972ドル、その下が200週線の6万3778ドルです。上値レジスタンスは6万4526ドル、次いで6万5000ドルとなります。
デリバティブ動向
OI・清算動向
先物の建玉(OI)は、Binanceで約10万8900BTC、想定元本にして約70億ドルと、横ばい圏でやや増加しました。反発局面で建玉が急拡大していないことから、過度な過熱はみられません。
ロング・ショート比率は約1.28倍まで低下し、下値で膨らんでいた個人のロングは一段と整理されました。8月3日の約2.0倍から3日連続で低下しており、需給の偏りは解消されています。資金調達率はBinanceで0.0077%とプラスへ戻し、OKXはほぼゼロです。清算総額の実数は未取得です。
注目清算ライン

ロングの傾斜が解消されたことで、下値での連鎖的な損切りリスクは和らいでいます。6万3778ドルの200週線、次いで6万3300ドルの24時間安値が下値の節目です。
上方では6万4500ドル前後に4時間足の主要移動平均線が集まり、その上の6万5000ドルには大口の売りが控えています。これらを吸収できれば、ショートの買い戻しを誘いやすくなります。
ETF・需給動向
米現物BTC ETFは、7月31日に2億6540万ドルの大幅流出を記録したあと、8月3日に1億7010万ドル、4日に2140万ドル(速報値)と、2営業日連続で流入に転じました。
大幅な流出から明確な流入回帰へと需給が改善したことは、反発と200週線の回復を支える重要な要素です。大口保有者では、ストラテジーの売却が一巡したと報じられる一方、長期保有者は比較的落ち着いているとされます。具体的な売買数量は未取得です。
本日のデイトレ注目材料
当面の焦点は、回復した200週線(約6万3778ドル)を維持したうえで、6万4500ドル前後の抵抗帯と、その上の6万5000ドルに控える大口売りを吸収できるかどうかです。これらを抜けられなければ、レンジ内での戻り売りに押されやすくなります。
今週は8月7日に7月分の米雇用統計の発表を控えています。労働市場の減速が確認されれば9月の利下げ観測が強まり、リスク資産の追い風となり得ます。反対に想定より強い結果となれば、利下げ観測が後退して重しとなります。
上抜けシナリオとしては、6万4500ドルを終値で上抜ければ、6万5000ドル、さらに6万6281ドルの日足バンド上限が視野に入ります。下抜けシナリオでは、6万3778ドルの200週線を再び割り込めば、6万3300ドル、さらに6万2300ドルの安値が意識されます。短期トレーダーが当日見るべきラインは、上値の6万4500ドルと、下値の6万3778ドルです。
まとめ
5日のBTCは、中東情勢の緊張後退と週末の悪材料の一巡を支えに反発し、およそ1週間ぶりに200週移動平均線を回復しました。ETFの資金も流入へ戻り、個人の過度なロングも整理されて、需給は改善しています。
もっとも、価格が戻る一方で恐怖・貪欲指数は「極度の恐怖」へ悪化し、6万5000ドルにかけては大口の売りが残ります。反発への不信がなお強く、200週線の定着には至っていません。まずは6万4500ドルの抵抗帯を抜けられるかが試金石で、週後半の米雇用統計の結果が、戻りを継続させるか反落させるかの分かれ目となりそうです。
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