Mastercardは8月3日、ステーブルコインインフラ企業BVNKの買収を完了したと発表しました。
金融機関やフィンテック、企業向けに、ステーブルコインやトークン化資産を使ったB2B決済、送金、決済、トレジャリー業務の機能を広げます。
買収額は3月の発表時点で最大18億ドルで、このうち3億ドルは業績連動分でした。法定通貨とデジタル通貨をまたぐ資金移動を、既存の決済ネットワークに取り込む動きが一段進んだ形です。
今回の買収でMastercardは、BVNKが持つオンチェーンの送受金インフラを取り込みます。
BVNKは主要なブロックチェーンネットワーク上で資金の送受を支える企業で、ステーブルコインを活用した企業間送金や資金管理の基盤を提供してきました。
Mastercardのチーフ・プロダクト・オフィサー、ヨルン・ランバート氏は、法定通貨、ステーブルコイン、トークン化預金など複数の価値の形が並存する世界では、それぞれのレールやネットワーク、通貨形態をどれだけ円滑につなげられるかが次の決済の姿を左右すると述べました。
買収の主眼は、暗号資産(仮想通貨)取引ではなく、企業の実務で使う送金と資金決済の処理を既存金融と接続する点にあります。
企業間送金とトレジャリー業務への展開
Mastercardが挙げた対象業務は、企業間決済、支払いの送金、資金決済、トレジャリー業務です。
トレジャリー業務には、グループ企業間の資金移動や余剰資金の管理、国境をまたぐ支払いの調整などが含まれます。
ステーブルコインを使えば、時間外・週末・祝日を含む決済や流動性管理の柔軟性を高める可能性があります。
この領域で重要になるのは、単にブロックチェーン上で送れることではありません。
企業が実際に使うには、法定通貨との交換、会計や資金管理システムとの接続、相手先への着金手段まで含めた一体運用が必要です。
Mastercardはカードネットワークや既存の決済到達網を持ち、BVNKはステーブルコインの受け渡し基盤を持つため、両者の組み合わせで利用場面を広げることが期待されます。
BVNKは買収後も、既存のプラットフォーム、各種統合、顧客との関係をそのまま維持するとしています。
利用企業にとっては、サービスの継続性を保ちながら、Mastercardの決済到達網やカード機能、グローバルな資金移動手段へ接続できる余地が広がるとみられます。
画像:Shutterstock
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