ビットコイン(BTC)は7月31日午前8時時点で6万4860ドルと、前日から1.43%上昇しました。直近24時間は6万3604ドルから6万5177ドルまで戻し、数日続いた膠着から上放れの兆しがみられます。
上昇の背景は、前日に相場を揺らしたイランの対米基地攻撃が追撃なく収まり、市場がリスクオンへ回帰したことです。米国株が大きく反発するなかでBTCも買い戻されました。ただし、6万5177ドルで頭打ちとなり、株式の急騰ほどには買われずに失速した点も同時に確認されています。
値動きの振り返り

BTC/USDT 30分足チャート。
直近24時間の安値は6万3604ドル、高値は6万5177ドルです。BTCは30日の欧州時間から水準を切り上げ、21時ごろに6万4885ドルまで上昇したのち、22時半に24時間高値の6万5177ドルを付けました。
その後は上値が重く、現在は6万4800ドル台へ小幅に押し戻されています。米国株が引けにかけて一段高となるなかでもBTCは高値を維持できず、6万5000ドルの節目が上値の関門となっています。
相場を動かした背景
イランショックの沈静化によるリスクオン回帰
29日に相場を圧迫したイランの対米基地攻撃は、追加の攻撃に発展せず、米・イランが一時的な停止に向かう動きをみせました。トランプ大統領は「外交にチャンスを与える」と伝えられ、地政学リスクへの警戒が急速に後退しました。
これを受け、30日の米国市場は前日のリスクオフを丸ごと巻き戻す展開となりました。恐怖指数(VIX)は17.3%低下して17.1へ、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は8.19%高、ナスダック総合は2.78%高と大きく反発しています。BTCもこのリスクオンの流れに乗って買い戻されましたが、上昇率は1.43%にとどまり、株式ほどの勢いはありませんでした。
前日に株安を吸収して横ばいを保った反面、今回の反発では株高に追随しきれておらず、高値の6万5177ドルからは押し戻されています。
GDP・PCEのインフレ鈍化
30日夜には、4〜6月期のGDP速報値が年率プラス1.5%と減速し、6月のPCE物価指数は前年比が5月の4.1%から3.7%へ鈍化しました。コア指数は3.3%で横ばいです。成長鈍化とインフレ鈍化が同時に示され、Fedのタカ派警戒を和らげる内容でした。
もっとも、BTCの上昇はこの発表前にほぼ進んでおり、指標は反発の起点というより、リスクオンの流れを補強する材料として働いたとみられます。
ビットコイン(BTC)テクニカル分析
日足チャート分析

日足では、現在値が20日線(約6万4525ドル)を回復し、50日線(6万3456ドル)の上にあります。100日線(6万9255ドル)と200日線(7万1640ドル)は大きく上方で、戻り売りの壁として意識されます。
MACDのヒストグラムはマイナス幅を縮小し、弱気から改善に転じました。30日の陽線で20日線を回復した点は、短期的な地合いの改善を示します。上値メドは6万6367ドル(ボリンジャーバンド上限)、下値メドは6万4525ドル(20日線)から6万3456ドル(50日線)です。
4時間足チャート分析

4時間足は、現在値が20・50・100・200の主要移動平均線をすべて上回り、短期トレンドが上向きへ転換しました。MACDのヒストグラムはプラス幅を広げ、戻りの勢いが確認できます。ただしボリンジャーバンド上限が6万5133ドルにあり、上限に接近しているため、目先は伸び悩みやすい位置です。下値メドは20線の6万4126ドルです。
1時間足チャート分析

1時間足では、現在値が主要移動平均線をすべて上回り、一目均衡表でも雲(6万3916〜6万4055ドル)の上に浮上しています。短期は買い優勢です。
ただしMACDのヒストグラムはプラスながら小さく、勢いはやや一服しています。ボリンジャーバンド上限の6万5239ドルに接近しており、ごく短期では過熱感もみられます。当日の下値サポートは6万4000ドル、上値レジスタンスは6万5177ドルから6万5239ドルです。
デリバティブ動向
OI・清算動向
先物の建玉(OI)は、Binanceで30日の約10万2000BTCから約10万6600BTCへ増加し、想定元本は約69億ドルです。価格上昇と建玉増加が同時に進んだことは、新規のロングが入ったことを示します。
資金調達率はBinanceで0.0090%、OKXで0.0081%と前日から上昇し、ロング優勢へ傾いています。一方、ロング・ショート比率は約1.24倍と前日の1.56倍から低下しており、個人が上昇を積極的に追いかけてはいない構図もうかがえます。清算総額の実数は未取得です。
注目清算ライン

上方では6万5177ドル、次いで6万5500ドルにショートの買い戻しが溜まりやすく、突破すれば踏み上げにつながりやすい水準です。
下方では6万4000ドル、次いで6万3600ドルの200週線が意識されます。特に6万4000ドルは本日の月次オプション満期のマックスペインと重なり、満期に向けて引き寄せられやすい水準です。
ETF・需給動向
米現物BTC ETFは、23日から24日に合計4億6526万ドルが流出したあと、27日は1160万ドル、28日は4970万ドルの流出まで縮小し、29日は3210万ドル、30日は970万ドル(速報値)の流入へと転じました。
木金の大幅流出から流入回帰へと需給が改善しており、これが反発を支えた一因とみられます。週間ベースでは3週連続の流入です。大口・長期保有者の具体的な売買数量は未取得です。
本日のデイトレ注目材料
本日は月末で、日本時間17時にデリビットの月次オプションが満期を迎えます。総建玉は約14万9700BTC、想定元本は約97億ドルで、コールに大きく偏り、マックスペインは約6万4000ドルです。満期に向けて6万4000ドル付近へ引き寄せられる可能性と、通過後にボラティリティが広がる可能性の両方に注意が必要です。
地政学面では、沈静化に向かうイラン情勢が再び悪化しないかが引き続き最大の不確実性です。再燃すれば原油高とリスクオフが戻り、上値を抑える要因となります。
上抜けシナリオとしては、満期を無難に通過し6万5177ドルを明確に上抜ければ、6万6367ドルの日足バンド上限が次の目標です。下抜けシナリオでは、満期に絡む売りやイラン再燃で6万4000ドルを割り込めば、6万3456ドルの50日線、そして200週線の約6万3600ドルが下支えとなります。短期トレーダーが当日見るべきラインは、上値の6万5000ドルと、下値の6万4000ドルです。
まとめ
31日のBTCは、イランショックの沈静化に伴うリスクオン回帰で6万5000ドル手前まで反発しました。インフレ鈍化とETFの流入回帰も追い風となり、数日続いた膠着から上放れの兆しがみられます。
ただし、株式が急騰するなかでBTCは高値を維持できず、上昇率も限られました。反発はあくまで前日のリスクオフの巻き戻しの範囲にとどまっており、6万5000ドルの定着には至っていません。本日は月次オプション満期のマックスペインである6万4000ドルと、上値の6万5000ドルに挟まれた攻防となりやすく、満期通過後にどちらへ振れるかが目先の焦点です。
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