デリバティブ取引所として知られるBitMEX(ビットメックス)が、取引所サービスの終了を発表しました。
2026年7月の発表以降、新規建玉の停止から取引の恒久終了まで、サービスは段階的に縮小されていきます。これまで通りBitMEXを使い続けることはできず、口座に資産を残したままにしておくと、あとから引き出しづらくなる可能性があります。
この発表を受けて、BitMEXの利用者からは「資産の移し先はどこがいいのか」「送金はどう進めればいいのか」といった声が上がっています。大切な資産を守るには、終了の期限が来る前に、余裕をもって移行の準備を進めておくことが欠かせません。
本記事では、BitMEX終了の背景とスケジュールを整理したうえで、代わりの移し先として検討したい取引所と、実際の送金・出金の手順を、注意点を交えて解説します。
BitMEXのサービス終了について

BitMEXは、決済期限のない「無期限先物(パーペチュアル)」取引を世界に広めた先駆けとして知られる取引所です。同社は2026年7月、10年以上にわたる運営を経て、取引所サービスを終了すると発表しました。
終了は段階的に進みます。おもな日程は次のとおりです。
- 2026年8月26日 13時:新規の建玉を停止(リデュースオンリー)。以降は保有ポジションの決済のみが可能になります
- 2026年9月23日 13時:取引所サービスを恒久的に終了。残っているポジションは強制的に決済されます
閉鎖後もログインと出金は可能とされていますが、終了に向けてすべての出金に追加の審査が行われるため、通常より時間がかかる場合があります。
アーサー・ヘイズ氏創設のBitMEX、2026年9月23日に運用終了
また、閉鎖後も資産を残したままの本人確認済み口座には、月額50ドル相当と年率1%のうち、いずれか高い方の口座維持手数料がかかると案内されています。余計な手数料や引き出しづらさを避けるためにも、口座に資産がある方は早めに他の取引所へ移しておくと安心です。
どこへ乗り換える?代わりのおすすめ移行先
取引所のサービス終了にともなって資産を移すとき、まず気になるのが「次はどの取引所を使えばいいのか」という点でしょう。国内取引所という選択肢もありますが、レバレッジが2倍までに制限されていたり、取扱銘柄が少なかったりするため、これまでの取引環境に近い海外取引所へ移る人も少なくありません。
ここでは、移し先として使いやすい取引所を3社紹介します。
| 取引所名 | Bitget | MEXC | BTCC |
| ユーザー数 | 全世界1億2,000万人以上 | 全世界4,000万人以上 | 全世界1,016万人以上 |
| 最大レバレッジ | 125倍 | 200倍 | 500倍 |
| 取引手数料 | 現物:0.1%(BGB利用で20%割引) 先物:メイカー0.02%、テイカー0.06% | 現物:メイカー0%、テイカー0.05%(MX保有で最大50%割引) 先物:メイカー0%、テイカー0.01〜0.02% | 現物:メイカー0.20%、テイカー0.30% 先物:メイカー0.025%、テイカー0.045% |
| 入出金手数料 | 入金:無料 出金:ネットワークにより変動 | 入金:無料 出金:ネットワークにより変動 | 入金:無料 出金:ネットワークにより変動 |
取引所ごとに強みは異なります。取扱銘柄の多さや取引コスト、使いやすさなど、自分が重視したい点に合わせて選びましょう。それぞれの特徴を順に見ていきます。
Bitgetの概要や特徴

| 取引所名 | Bitget(ビットゲット) |
| 運営会社 | Bitget Limited |
| 設立日 | 2018年 |
| ユーザー数 | 全世界1億2,000万人以上 |
| ガバナンストークン | Bitget Token(BGB) |
| 最大レバレッジ | 125倍 |
| 取引手数料 | 現物取引:メイカー・テイカー共に0.1%(BGB利用で20%割引) 先物取引(無期限):メイカー0.02%、テイカー0.06% |
| 主な提供サービス | 現物取引 先物取引 コピートレード 自動売買 Bitget Earn |
| 入出金手数料 | 仮想通貨入金:無料 仮想通貨出金:通貨・ネットワークにより異なる |
| 日本語サポート | 日本語対応あり ・24時間365日のチャットサポート |
Bitgetは2018年に設立された海外の暗号資産取引所です。2026年時点で全世界1億2,000万人以上が利用する世界第2位規模の取引所へと成長しており、豊富な取扱銘柄と充実した取引環境が特徴です。
最大125倍の高レバレッジ先物取引に対応し、なかでも業界トップクラスの「コピートレード」機能が大きな強みです。16万人を超えるプロトレーダーの取引を自動でコピーでき、現物・先物のどちらでも利用できます。
MEXCの概要や特徴

| 取引所名 | MEXC(エムイーエックスシー) |
| 運営会社 | MEXC Global |
| 設立日 | 2018年 |
| ユーザー数 | 全世界4,000万人以上 |
| ガバナンストークン | MX(エムエックス) |
| 最大レバレッジ | 200倍 |
| 取引手数料 | 現物取引:メイカー0%、テイカー0.05%(MX保有で最大50%割引) 先物取引:メイカー0%、テイカー0.01%〜0.02% |
| 主な提供サービス | 現物取引 先物取引 Kickstarter コピートレード MEXC Earn |
| 入出金手数料 | 仮想通貨入金:無料 仮想通貨出金:通貨・ネットワークにより異なる |
| 日本語サポート | 日本語対応あり ・24時間365日のチャットサポート |
MEXCは2018年に設立された海外の暗号資産取引所です。2026年時点で全世界4,000万人以上が利用し、3,000種類以上という業界トップクラスの取扱銘柄数を誇ります。
最大の特徴は、新規トークンの上場スピードの速さです。大手取引所が慎重に判断する初期段階のプロジェクトも積極的に取り扱っています。取引コストも優秀で、現物・先物ともにメイカー手数料0%、テイカー手数料0.05%という業界最安水準を実現しており、最大200倍のレバレッジにも対応しています。
BTCCの概要や特徴

| 取引所名 | BTCC(ビーティーシーシー) |
| 運営会社 | BTCC(旧BTC China) |
| 設立日 | 2011年 |
| ユーザー数 | 全世界1,016万人以上 |
| 最大レバレッジ | 500倍 |
| 取引手数料 | 現物取引:メイカー0.20%、テイカー0.30% 先物取引:メイカー0.025%、テイカー0.045% |
| 主な提供サービス | 現物取引 先物取引 トークン化資産取引(株式・コモディティ) コピートレード |
| 入出金手数料 | 仮想通貨入金: 無料 仮想通貨出金: 通貨・ネットワークにより異なる |
| 日本語サポート | 日本語対応あり ・24時間365日のチャットサポート |
BTCCは2011年に設立された海外の暗号資産取引所です。2026年時点で全世界1,016万人以上が利用しており、ビットコインの黎明期から14年以上にわたって運営を続け、その間ハッキングによる資産流出事故ゼロという実績を持ちます。
最大の魅力は、業界最高水準となる最大500倍のレバレッジです。ゴールドやテスラ株といったトークン化資産も取引でき、USDTを保有したまま伝統的な金融資産へ分散投資することも可能です。老舗ならではの信頼性と、ハイレバレッジ取引を重視する人に向いています。
BitMEXから暗号資産を移行する方法
ここからは、実際の送金手順をMEXCを例に解説します。Bitgetなど他の取引所へ移す場合も、基本的な流れは同じです。
それでは、3つのステップに分けて説明します。
STEP 1: MEXCの口座を開設する
送金先となるMEXCの口座がまだなければ、先に用意しておきます。
開設の手順はシンプルで、大きく2段階です。
- 登録:MEXCの公式サイトにアクセスし、メールアドレスまたは電話番号とパスワードを設定します。Google・Apple ID・Telegram経由の登録にも対応しています。
- 本人確認(KYC):マイナンバーカード・運転免許証・パスポートのいずれか1点を提出します。審査時間の目安は数十分〜数時間です。
開設手順を画像付きで確認したい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
→ MEXCの口座開設方法を詳しく見る
STEP 2: MEXCで入金アドレスを取得する
はじめに、送金先のMEXCで入金アドレスを取得します。
1. MEXCにログインし、右上の「ウォレット」から「概要」へ進みます。

2. 「入金」を選び、入金方法の一覧から「オンチェーン入金」を選択します。

3. 入金する通貨とネットワークを選びます
- 入金する通貨として、ここでは「BTC」を選びます
- ネットワークは「BTC」を選択します。BitMEXからのBTC出金はBitcoinネットワークのみのため、MEXC側でも「BTC」を選んでください(MEXCではBTCに複数のネットワークが並ぶことがあるので取り違えに注意)。USDTなど他の通貨は、BitMEXとMEXCで同じネットワークをそろえます

4. 表示された入金アドレスをコピーします。Memo(タグ)が表示される通貨の場合は、アドレスとMemoをセットで控えてください。

STEP 3: BitMEXから出金手続きを実行する
続いて、BitMEX側で出金(送金)の操作を進めます。出金には原則として2段階認証(2FA)の設定が必要です。また、資金がポジションの証拠金として拘束されている場合は、先にポジションを決済して出金可能な残高を確保しておきましょう。
1. BitMEXにログインし、「ウォレット」を開いて「出金」をクリックします。
2. 出金する暗号資産(今回はBTC)を選び、必要情報を入力します
- ウォレットアドレス:STEP 2でMEXCからコピーした入金アドレスを貼り付け(アドレス帳から選択も可)
- ネットワーク:STEP 2でMEXCで選んだものと同じネットワークを指定
- Memo/タグ:MEXCでMemoが表示された通貨のみ入力します(BTCなど不要な通貨は空欄のままで問題ありません)
- 数量:送金したい数量を入力(画面に表示されるネットワーク手数料と最低出金額を確認)
すべての情報を入力したら、出金を申請します。
3. 以下の認証を行い、出金を確定します。
- Google認証(2FA):認証アプリに表示される6桁のコードを入力します(アドレス帳に登録して2FA免除を設定したアドレス宛など、一部の例外を除いて必要です)
- メール承認:BitMEXから届く確認メールのリンクをクリックして承認します(承認を忘れると出金は実行されません)
承認が完了すると送金が実行されます。これでBitMEXからMEXCへのBTC送金手続きは完了です。
なお平常時のBitMEXでは、1回あたり5BTCまでの出金は15分間隔のまとめ処理で送金され、5BTCを超える出金や審査対象となった出金は1日1回(毎日22時ごろ)の処理になります。ただし今回の終了にあたっては、すべての出金申請に追加の審査が行われると案内されているため、通常より時間がかかる前提で早めに手続きしてください。
送金時の重要な注意点
安全に送金するために、以下のポイントを必ず確認してください。
ネットワークの一致を確認する
BitMEXとMEXCで指定するネットワークは、必ず同一にします。両者が異なると送った資産は届かず、取り戻すことができなくなります。MEXC側で選んだネットワークを、そのままBitMEX側でも選択してください。
暗号資産によってネットワーク選択肢が異なる
ここではBTCを例にしていますが、MEXCではBTCであってもBEP20など複数のネットワークが並ぶことがあります。BitMEXからのBTC出金はBitcoinネットワークのみなので、MEXC側でも迷わず「BTC」を選びましょう。USDTなど他の通貨を送るときは、選べるネットワークがさらに増えます。
特にUSDTはTRC20・ERC20・Solanaなどがあり、間違えると資産を失う原因になります。送金する暗号資産に応じて、送金元と送金先で必ず同じネットワークを選んでください。
アドレスの全文字を確認する
アドレスは1文字でも異なると送金先が変わります。手入力は避けてコピー&ペーストを使い、貼り付けた後に文字列全体を見直す習慣をつけてください。
少額テスト送金を実施する
初回や高額の送金では、最初に少額(0.001 BTC程度)だけ送って着金を確かめる方法が安全です。無事に届いたのを確認してから本命の金額を送れば、設定ミスによる損失を防げます。閉鎖前は審査に時間がかかることがあるので、余裕をもって進めましょう。
出金履歴は確定申告のために保存する
すべての送金を終えたら、出金の履歴を必ず保存しておきましょう。確定申告のときの損益計算に使います。BitMEXの終了後は記録を入手しづらくなる可能性があるため、資産を移すのと合わせてダウンロードしておくのが確実です。
まとめ:慣れてからも毎回確認を怠らない
ここまでの手順を踏めば、BitMEXからMEXCへのBTC送金は難しくありません。BitMEXは閉鎖が予定されているので、口座に資産がある方は期限まで余裕をもって手続きを済ませましょう。
要点をまとめると:
- 受け取り用のMEXCで正しい通貨とネットワークを選び、入金アドレス(必要ならMemoも)を取得する
- ポジションを決済し、出金可能な残高を確保してから出金
- BitMEXで同じネットワークを選び、2FAと確認メールで承認して出金
- 出金履歴は税金の計算用に必ず保存
ネットワークの一致・アドレスの全文字確認・少額テストの3点さえ守れば、送金は安全です。操作に慣れても、毎回この確認を欠かさないようにしてください。