米上院共和党は2026年7月22日、米国の暗号資産(仮想通貨)市場を包括的に規制する「クラリティ法案(H.R.3633)」の最終条文を公開しました。文書は616ページで、下院を通過した法案の内容を上院側で差し替える包括的修正案の形式です。ただし、法律として成立した最終本文ではなく、今後は上院本会議での審議や下院との条文調整、大統領署名が必要となります。
今回の条文では、大統領を含む対象公職者・職員とその配偶者について、在任中に報酬を受け取って特定のデジタル資産を発行したり、資金提供や運営、氏名・肖像の使用などを通じてスポンサーになったりすることを禁止する倫理規定も追加されました。違反時には米司法長官による民事執行、利益の返還、受け取った対価の10%または50万ドルのうち低い金額の罰金が規定されています。就任前から発行・スポンサーしていた資産への直接的な権益については、売却または適格ブラインドトラストへの移管によって違反を回避できるセーフハーバーが設けられました。
一方、投資目的で暗号資産を保有することや、公務として暗号資産政策に関与することまで全面的に禁止する内容ではありません。発行・スポンサー禁止と関連する改正は2029年1月20日に失効する設計で、上院銀行委員会の民主党側からは、家族や関連企業を通じた利益獲得を十分に防げないとの批判も出ています。
米下院、議員のインサイダー取引防止法案を可決
同じ7月22日、米下院は議員によるインサイダー取引への懸念を抑える「Stop Insider Trading Act(H.R.7008)」を232対198で可決しました。インサイダー取引とは、一般に公開されていない重要な情報を利用して株式などを売買し、利益を得る行為です。議員は法律や政策に関する情報へ一般より早く接する可能性があるため、その立場を株取引に利用しているのではないかという不信を減らす狙いがあります。
法案は議員本人だけでなく、配偶者と扶養する子どもによる上場企業の個別株やオプションなどの新規購入を原則禁止します。既に保有している株式を直ちに手放す必要はありませんが、売却する場合は予定日の7日前から14日前までに、売却予定日や株数などを公表しなければなりません。一定の投資信託や分散型ファンドは規制対象外で、違反時には2,000ドルまたは取引額の10%のうち高い金額に、取引で得た純利益を加えた制裁金が科されます。
下院通過版には、株式取引規制とは別に、連邦選挙で写真付き身分証明書の提示を求める有権者ID条項も追加されました。
参考元:公式
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