米金融大手シティグループは7月1日、今後12カ月のビットコイン価格目標を11万2000ドルから8万2000ドルへ引き下げました。イーサリアムの目標価格も3175ドルから2240ドルへ修正しました。下げ幅はビットコインが27%、イーサリアムが29%です。暗号資産(仮想通貨)市場への資金流入の鈍化が、主要金融機関の見通しにも反映された形です。
今回の修正では、現物ETFを通じた資金フローの悪化が大きな要因として位置付けられました。年初来のビットコインETFでは、累計で約33億ドルの純流出が発生しており、機関投資家を含む需要の弱まりが価格想定を押し下げています。
ETFは、暗号資産を直接保有しない投資家でも市場に参加しやすい入り口です。その資金が流入から流出に転じると、価格見通しは単なる需給だけでなく、「新しい買い手が増えているか」という市場の勢いそのものを映す指標になります。今回の下方修正は、足元の価格変動よりも、資金の流れが細っている現実を重く見た内容です。
米国のデジタル資産法制の進捗が鈍いことも、見通し引き下げの理由に挙がりました。シティは、Crypto Clarity Actを含む法整備の遅れが投資家心理を冷やし、市場参加を慎重にさせているとみています。制度の輪郭が定まらない状態では、資金を入れやすくする商品があっても、運用資金が本格的に戻りにくい構図です。
今回の見直しは、2026年に入って2回目の下方修正です。シティは3月にも、ビットコインの12カ月目標を14万3000ドルから11万2000ドルへ引き下げていました。わずか数カ月で再び水準を切り下げたことで、年初時点に比べて市場回復の前提条件を厳しく見直したことがうかがえます。
注目されるのは、価格そのものよりも、見通しを支える前提が崩れている点です。ETFが継続的に資金を集め、米国でルール整備が進むという期待は、2026年前半の強気シナリオを支える土台でした。今回はその2つがそろって弱含んだことで、ビットコインとイーサリアムの目標が同時に引き下げられました。
大手金融機関の価格目標は、その通りに相場が動くことを保証するものではありません。ただ、機関投資家が何を重視して市場を見ているかを示す材料にはなります。今回は、価格の上昇余地よりも、資金流入と制度整備の停滞が重視された格好です。
参考元:reuters
画像:Shutterstock
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